「躁転」馬野ミキ

2021年10月04日

知っている街で軽く迷子になり笑える
女性が洋服を着ていても すごく細かく見れば、中身がほぼ透けている
※公共の場で スマホに集中し過ぎている女性は特に注意してください
用事のあった店が二つとも連続で定休日なんて そんなことあるだろうか
雨上がりの虹をみんなが盗撮している

犬 出会う動物すべてに
かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいすぎ
と声に出して言う
すれ違う困っていそうな人間全員に声をかけて相談にのる
気が狂っていない人のふりをする為に
あくびをしたり、伸びをしたり ゴルフのスウィングを行う

次きた

相手が男なら殺す
女ならヤる
という選択肢から逃避し、観察する
私は理性的な人間


























感じるんじゃない
観察するんだ














自転車の運転が少し難しくなる
自動車との公道レース プライドを賭けた戦い
知らない家のインターホンを押して、今から知り合いになってお茶をご馳走してくれませんか
と言いたいが、断られるだろうな
前を歩いている人間が ずっと行きたい方角に歩くので ぼくがその人間を尾行しているのではないかという錯覚に陥る

友人の彼女の乳房でも 一瞬ならみてもよい
理科の実験で先生が 太陽を直視してはいけませんというので
休憩時間にずっと太陽をみていた

このように

延々に浮かび続ける言葉を、
スマホにメモする為
俺はいま
スクランブル交差点の中央から一歩も動けないでいる
だけれど誰も俺に職務質問することは出来ないだろう
なぜなら
一生懸命に文章を書くような人間は 安全な人間だからである

ねえ
信号はいま何色だろうか?

























馬野ミキ