みきくんこんばんは 八 すなけちゃん(snake)

2022年01月03日

みきくんこんばんは 八

前回まではイギリスにいたことをいろいろ書きました。学校では休暇が多かったしいろいろ出かけることもあり、今思えば楽しい毎日だったのかもしれません。

さて日本に帰ったのは夏でした。
八月に一か月かけて姫路城を作ったりほとんど家から出ない生活をしました。
とても疲れていたのでしょう。
それから近所で派遣の仕事をしながらも靴関連の国際展示会へ何度か行きました。
香港や上海開催の物が多くて、ブースの工場は広東省が多かったです。
そしてそれまで全く予定していなかった中国語の学習を始めようと思うようになりました。
最初は広島市内のECCとか行ってイーアルサンスーなんて数を習ったりしました。
それからカルチャーセンターにも行ってみました。
私の名前はすなけちゃんです、よろしくお願いします。くらいまでわかるようになりました。
そうこうするうちにお金もたまってきたので張り切って中国で数か月勉強しようと思いました。
右も左もわからないので治安のよいところ、と探したら大連になりました。
広島から直行の飛行機もありますし一時間くらいの激近です。

イギリス生活の終了から三年を経て、冬に大連へ行きました。
冬の終わりでちょうど春になる頃でした。
大連の遼寧師範大学は留学生待遇が良く、寮は敷地内のホテルでした。
二人部屋で日本人の女の子と一緒でした。
信じてくれないかもしれないですが、到着して数日した頃にお化けが出ました。
欧米人の留学生も多くて真夜中に酔って帰ってくるのはよくあることです。
あの夜急にドアをコンコンとノックする音がして目が覚めました。
二時くらいでした。
部屋を間違えているのだろうと無視していたら、ルームカードキーの開錠の音が聞こえたのです。
ピーという音とともに、ガチャっとドアは開いたのです。
めっちゃくちゃ驚いてドアの方を見ていると長身のアジア人の若い男性が入ってきました。
私は体が動かないのですがその男性はゆっくりと私のベッドの真ん中あたりに腰かけてこちらに振り向きました。
振り向くと目の中が全部グレーで普通の人の顔ではなくてお化けだと思いました。
そうすると肩につかみかかってきてかなりパニックの中私は寝てしまいました。
翌朝ルームメイトの女の子にその話をしてとても恐ろしかったと言うと次に来たらやっつけてやると言っていました。
私は翌日も来るような気がしたのですが夜寝て気が付くと朝でした。
あれ、昨夜はお化け来なかったね、とルームメイトに言うとお化けは来たと言うのです。
彼女の話では同じようにドアをノックしてきたらしいです。
そこで目が覚めた彼女はすぐにドアのところへ走って行ったのだそう。
すると私の話と全く同じようにお化けがルームキーを使って入ろうとしたのだそうです。
手がにゅっと入ったので彼女はドアを閉めたのですが、するとお化けがドアに手を挟みギャッと言って逃げたのだそう。
私も彼女も夢だったのか現実だったのか結局よくわからないのですが、そんな不思議なことがありました。
私は夢ではなかったと思います。




すなけちゃん(snake)