2021年「抒情詩の惑星」を振り返る対話

2021年12月31日

「抒情詩の惑星」を訪れてもらっている皆さん、こんにちは。
編集長というか、まあ勝手に作って勝手に就任しているのですが、編集長の馬野ミキです。
立ち上げから四か月、多くの方にお世話になり協力を得て、なんとか続けさせてもらいました ありがとうございます。
四か月ほぼ作品、原稿を羅列してかたちになっているのですが、この年の瀬を機会に一度、振り返りをしてみようかと。
で、自分1人で書き連ねるのもあれなんでお二方、座談会のようなかたちになればと混ざってもらいました。
荒木田慧さんと、古溝真一郎君です。

荒木田さんとは一時期、高円寺・無力無善寺での詩の朗読のオープンマイクをコロナでほんの短い間であったけれど共催したり
また現在「抒情詩の惑星」の編集時、理数系の能力が皆無に等しい自分を助けて頂いたりしてもらっています。

古溝真一郎君は、元々は2ちゃんねるの詩・ポエム板、つまり自分が詩の活動をやり始めたもう15年以上まえになりますかね
当時、古溝真一郎は関西におって、2ちゃんねる詩ポエム板発の朗読会のぼくが東京幹事をやり
古溝君が大阪幹事をやったりしてたり
まだ携帯電話が普及していない頃でしょうね 写真とかそういうデータ無いので。
まあ会っていない時期もかなり長いのですがね
大島健夫君が音頭をとってくれた創刊記念朗読会でも少し話したのですが
そもそも「抒情詩の惑星」の「抒情詩」というワードは、今夏精神的に絶不調であった自分が
新宿の紀伊国屋で無料配布されていた 七月堂のヤバイ本フェアにて自分の詩集「キム」をとりあげてくれその解説文に「抒情詩」とあったのでそのまま拝借したわけであります。

※1 無力無善寺
※2 2ちゃんねる詩・ポエム板
※3 抒情詩の惑星創刊記念朗読会
※4 七月堂ヤバイ本フェア

えー ちょっと昨日飲み過ぎてまだ頭がぼっーとしていて色々と抜けているところあるかもしれませんが
まずすごく私事なんですけれど
四か月継続させていただいて、多くの人に原稿を頂き ちょっと他人に「感謝」をするという気持が芽生えたりしました
普段合えばタメ口で話す人にも編集長モードの時とかは敬語で話すみたいな感じですかね
原稿を「頂いてる」という気持、敬意の表れかと思っています。

あとは首をやられました
送られてきた原稿をコピーペーストしてエンタキー一発でハイはい完成です、とうわけにはいかず
様々なフォーマットを通すことにより、改行や余白が結構ずれたりするんですよ 文字の大きさが違ってしまったり。
その修正作業が結構地味でパソコンを見下ろす姿勢が良くないのでしょうね 脊椎症が悪化してしまいました
と書いたところで三人集まったようなので それではじめさせてもらおうと思いますー!
では、荒木田さん 古溝君、よろしく御願いしまーす。


馬野:あと最初に俺が喋るべきことあるかな?

荒木田:いいんじゃないかな?

馬野:まず、立ち上げるにあたって、綺麗なかっこいいホームページにしたいというのありました 
とブログとかSNSでもないなと思ってました
人間復興とか僕がイキったことをいきなり言っているのでそれに対比するようなpopなイラストというか
いまだと正月verのぴきちゃんのイラストがtopにupされていますが そういうイメージもありました

古溝:とりあえず始めてしまっていいと思います

馬野:えーと、じゃ 荒木田さんは最初僕からの原稿の依頼を一旦断ったじゃないですか?その辺の経緯を教えてください。

荒木田:いま詩を書いていないので、WEB詩誌に載るっていうので構えました 

馬野:ええ

荒木田:「詩的」を意識すると詩じゃなくなるっていうか だから書けたら書きたいなと思って書こうとしたけど書けないのでいちど断りました

馬野:うんうん

荒木田:だけど創刊前に載っていたものを読んで刺激を受けたのと、あとちょうどブコウスキーの短編集をそのころ読んでいて、感じたこと思ったことそのまま書けばそれでいいやと思って

馬野:うん

荒木田:あったこととか それでこれなら書けるかなって思って送りました

馬野:九月のプレオープン時ですね 
当初は 結構、ふだん定期的に詩をかいてない 知り合いに 原稿を依頼した というところはあります

荒木田:それも面白かったのかもしれないですね 私は詩人の知人が多くないので誰が詩をいつも書く人で誰がそうじゃないか、界隈みたいなものもよく知らなくて、みんなフラットというか

馬野:何年もあっていない友だちに依頼した とか 一度か二度しかあってないけれど なにかずっと記憶に残る人とかに依頼してみる ってのは今もあるところかも知れません


古溝:私はサイトトップの宣言を読んで、ちょっと戸惑ったんですよね

馬野:人間復興なんちゃらみたいな?

古溝:たぶんプレオープンのときと、今の宣言文はちょっとだけ違ったんじゃないかなあ

荒木田:もっと鼻息荒かったのかな?

古溝:何に戸惑うかというと、

荒木田:知りたい

古溝:専門家ではない一般の人のために書くというような宣言なわけですけど、実のところ、こういうことを気にするのは逆に内輪な感じもしたんです。


馬野:うん


古溝:詩に興味のない人であればなおさら、それが専門家向けなのか一般向けなのかなんて気にもしないはずで われわれが詩の書き手だからこそ、そこにちょっとこだわっちゃうのかなと思った。

荒木田:あの宣言は読み手に対してというより、書き手に対して向けられているのかな

馬野:そうだねえ 書き手が集まる「場」を作ってから というのは確かに その順番としてはある

古溝:でも、そういう宣言をきちんとすることは書き手向けであってもいいな、と今は思っています



荒木田:書き手じゃない人も読んでくれてるのかな?宣言のなかにあるターゲットというか?

馬野:うーん 微妙かなあと思っている 反応がSNSとアクセス解析だけなので 現状わからないねえ
プレオーフンスタート時の告知では一日400人みてくれたけれども今はその半分かな。
訪れてくれる7割りの人はブックマークしてくれてて直で来てもらっているということになってる アクセス解析では。

古溝:朝日新聞のプロフィール欄にサイト名が出てましたけど、その効果ってありそうですか

※5 朝日新聞

馬野:12月のなかではトップの来訪者になったけれど UU(ユニークユーザー/ざっくり言うと一日に1人がサイトを訪れても「1」とする数え方)270人くらいだっけかな。プレオープンスタート時の告知より少ないということだね


馬野:と、2人とも時間どのくらい大丈夫?

古溝:わたしはいつまででも大丈夫です

荒木田:夕飯作らないといけないから一度抜けるけど、延々いけるよー

馬野:ありがとう。ちと時系列で話してみましょうかー 九月の作品で好きなものはありますか?

「抒情詩の惑星」2021年9月

荒木田:「現代詩」もり いいなと思いました 

馬野:うん


荒木田:インフルエンサーとか六本木ヒルズ とかキャッチーな言葉がでてくるんだけど ただキャッチ~なだけじゃなくてそれがちゃんと機能しているというか
ドミノピザのバイトを1ヶ月で辞めたばかりだったので特に交差点のところのくだりは面白いなあって

馬野:めっちゃシンプルなタイトルだよねえ

荒木田:抒情詩の惑星がもし紙の雑誌だったら、巻頭詩はこれだなと勝手に思いました

馬野:もりくんが例えば日曜の歩行者天国とかで 朗読してたら 行き交う人たちは どんな反応なのだろう

荒木田:何らかのイデオロギーがあってそうしてるんだろうと思うんじゃないかな
自分のことになっちゃうけど、前に池袋の駅前で朗読していたときに、若者二人が立ち止まってくれて、なにかの啓蒙ですかと聞かれたことがあって


馬野:その啓蒙って宗教の勧誘みたいなこと?

荒木田:うん、そうだと思う。歩行者天国で朗読することの目的が朗読そのものであるはずがない、というか・・・

古溝:朗読に関しては、ほとんどの人がどう聞いたらいいか自体わからないと思いますよ


馬野:どう聞けばいいのかわからない どう読めばいいのかわからないって 
まあ その すごい乖離だよね 発し手と受け手のあいだの。
たぶんそこを埋めたいという自分の宣言文?が、まあ古溝くんが当初いだいた「戸惑い」とも繋がっているかも知れない

馬野:古溝君は九月、好きな作品ありますか?

古溝:好きなものはいくつもあるので難しい。
個人的に昔から知っている人たちの、でも最近は作品を書いていなかっりした人の作品を読むとそれだけで感動してしまうところがある。
だからなんか最初は同窓会みたいな気分になってしまって、それはそれで良くないなあとも思った。
けっこう、ミキさんに原稿依頼があって、というところから書き始めているひとはいますよね?
一旦書かなくなっていた人が、それでも書こうとする言葉というのは、力があると思いますよ。

「抒情詩の惑星」2021年10月

馬野:10月は歌手の中村アリーさんの作品で450UUってのが これが「抒情詩の惑星」の一日最高アクセス数ですね 
勿論作詞はしておられますが、詩は書いておられないと思います
アクセス数=よい作品であるとは思いませんが、自分に直接感想をくれるタイプの知人の間では
同じく普段、詩や文章を書かないタイプである、すなけちゃん(snake)同様評判がよかったですし
それが詩かどうかはさておいて、いい文章だなあと思いました。
また、10月は「編集長」という立場や或いは寺西さんを強く意識したりもしました

※6 寺西さん

荒木田:歌手の方の作品が最高アクセスというのも、ならではで面白いかも

古溝:寺西さんのことや、フェイスブックでのやりとりなど、詩作品を提示するだけでなくて、詩全体を考えさせるものが記事になるのはいいですね

馬野:うんうん のちに出てくるベンズカフェの真皓さんやスピリット!のURAOCBくんなど 
その シーンというか現場感を率直に伝えられる記事って さっき言ってた 
「乖離」を埋める手立ての一つになりうるのじゃないかと思って

※7 ベンズカフェ
※8 スピリット!

古溝:さっき巻頭詩にしたいといっていたもりくんの「現代詩」なんかもそうですけど、このサイト自体が、詩とはなにかってことについて考えつづけている感じですね


荒木田:私は界隈に詳しくないので、私のような立場の人からすると、もっと俯瞰した体系的な流れを知りたいと思ったりします。
ポエトリーシーンの変遷を三人称で書いたものがあってもいいなと感じます。



荒木田:と、記事のなかに出てくる人名や、書き手と編集長の関係性などを知らない読み手からすると、アウェーというかつかみにくい感じはあります。

古溝:それはありますね

荒木田:界隈、の境界線をこえていくためには大事な気がする

古溝:詩作品はいいとして、そうでない記事については前提知識をわりと細かく書いた方がいいかもしれませんね
詩について興味があるけど今まで触れていなかった人に説明する感じがいいのかな。


荒木田:6時になったら料理するので一度離脱しますね 気にせず続けてください

馬野:どのくらい離脱する?

荒木田:1時間かな

馬野:りょ

古溝:そこは休憩にします?

馬野:そのほうがよいかな?

荒木田:二人はご飯は?

古溝:そこでご飯たべてしまいます

馬野:ではもぐもぐたいむでー

荒木田:6時から7時ね

馬野:じゃああと10分やる?

荒木田:おう


馬野:更新頻度が落ちても 丁寧な記事作り のほうが 2人とも よいということだね
日刊っていう理想って言うか分かりやすいコンセプトかなあってのがあったんだけれど、けどクオリティーさげちゃだめだよなあ確かに

荒木田:一方で勢いも大事だと思うんだ


馬野:そういう為にも、同時に若干の収益を得て、編集部員を集めて、ギャラを払う ということも 勿論書き手にも払えればそれは望ましい
というようなことを同時に行っていきたいとも思ってはいるけれど。。。


荒木田:おいしいもの食べたいもんねー

馬野:ふりかけご飯ばかりじゃ しんどいよねえ

荒木田:せめておとなのふりかけくらい買えないとねえ


馬野:「詩とお金」、或いは 「詩と経済」


荒木田:テーマだねえ 経済学者の詩人いないんかな?
ポエムが通貨の単位だったら世界はどんなふうでしょう
詩集が売れないのってなんでですかねえ ダイソーで売ってても売れないかな?


馬野:荒木田さんが当初、「抒情詩の惑星」の原稿依頼を断った理由に、「詩的」を意識すると詩じゃなくなる っていいうのがあったじゃないですか

荒木田:はい

馬野:生活していくには月20万いるとする でもそこを目指すと、意識すると違くなる みたいなところあるかも知れませんね
では休憩しましょうー


(一時間休憩)


馬野:普段、自分は人とサシで会うことが多いので 三人にそろえば文殊の知恵じゃないけどそんなの思いだしてました


荒木田:私は言葉が多いので古溝さんの話をもっと聞きたいですね


古溝:言語化が遅いんですよね、、、


馬野:捉えるべき対象の範囲が大きければ大きいほど 言語化みたいな作業は遅くなるかもっすね

古溝:ひとつひとつの作品について語りだすとそれはそれで時間がかかりそうなんですよね
ホームページ、
ジャンル分けみたいなのはあっていいかもしれないですね


荒木田:でもカテゴリ分けするのって難しいね


馬野:これは長編詩で これは短編小説で これは批評で これは感想だ! と分別する作業が なんか 得策ではないという想いもあります

が、ホームページの見やすさについてはテコ入れが必要かもですね


古溝:何を優先させるのかってことになるのかな

馬野:今だと 安定した書き手の数と 編集部員です
と、広告主か・・・

では10月でこれ好きーという作品はありますか?
自分は鐘勢さんからはメールが届くだけで笑ってしまいますが


古溝:泉由良さんの詩がよかった

出来るだけ
家族ではないように
暮らしたい

みたいなことは、私はわりと思っているので


馬野:「家族」というテーマで書いてもらったものだと思います


古溝:主に家族のことを詩に書くけど、家族の枠組みは疑っているので
私はこういう家族観は好きです

荒木田:泉さんの詩は毎回印象に残ります

馬野:1つの二律背反を背負っているような



10月末の二人、もりくん そにっくなーすさんは のちのコトバスラムジャパンの全国大会に駒を進めておられますね
※9 コトバスラムジャパン



「抒情詩の惑星」2021年11月

馬野:11月は大島健夫君が音頭をとってくれた創刊記念朗読会がありました コロナで15名限定になりましたが
抒情詩の惑星でも原稿を頂いてる中川ヒロシさんは三重から来て下さったり1つの盛り上がりがあったと思います

古溝:詩の朗読を聞くのが久しぶりで、楽しかった

馬野:わー それはやる側としては嬉しい感想

古溝:でも詩の朗読って、聞くのもけっこう集中力が必要で

荒木田:ですねー

古溝:あまりカジュアルには流行らない理由なんだろうとは思う。


馬野:すごく流行らなくてもいいけど赤字で成り立たない メドがたたない というのが避けられればよいねえ
それから11月は「詩とは何か論」みたいなものも出てきたと思います
と同時にまったく関係ないような昆虫食を取り上げさせてもらったりもしました。


荒木田:掲載されているものの幅が広がってきましたね
 載せる、載せないを決めるときの基準てなんですか?


馬野:そうですねえ いまは再開していますが当初は詩作品の受付をすぐに中止したりしました
また 依頼して 頂いた原稿に対して 僕がその原稿のままでは受け入れられない という返答をし、仲が悪くなった人もいますw

荒木田:たとえば私が四コマ漫画を描いて送ったとして、ふつうの詩の雑誌だったら漫画だっていう時点ではじかれると思うんですけど、抒情詩の惑星はそうじゃない気がするんですが


馬野:送られてきたものをそのまますべて掲載していればある種楽なのですが たぶんそれは自分がしたいことではないと思うので・・・

家族とはなにか?というように 詩とは?という問題もあると思います
その辺の石ころも ある人にとっては とても詩的なものであったりするでしょうし
そういった視点を「抒情詩の惑星」というサイト全体であらわしたい ということもあります。


荒木田:11月でいえば中川ヒロシさんの「英語で言うとね」好きでした
詩っぽいものを書こうとしてないと思うのに詩になっちゃうのが好きです。


馬野:この辺どうですか古溝君


荒木田:詩人と名乗る名乗らない、って話があったと思いますが

馬野:12月の猫道くんかな


荒木田:詩は ある ものだと私は思っていて

詩だと銘打ってなくてもこれ詩だなあってたくさんあるよね

私の言うことって論点がずれてきちゃうように思いますが


馬野:また 他者にこれは詩だ と証明できなくてもよいしねえ


荒木田:そうだねえ


古溝:私は、詩的なものを目指して書いた「ただの詩」ほど詩からは遠ざかる、

みたいなことをずっと言ってますが、うまく伝えられないんですよね


荒木田:このジレンマなんなんでしょうねえ


馬野:荒木田さんが当初自分の依頼を断った理由に似ているような 
先ほどの、家族についての二律背反でも同じですが
それから11月にはようやっと古溝君からも原稿を頂けました

古溝:すみません、、、


馬野:合評会含めて今後の展開などありますか?


古溝:雑誌をつくるというのは数年前から言ってるんですけど、たぶん来年は出します
いまのやりかただと、合評会の参加者は7,8人が限度で、
いや、まあ次の展開はどうしようと悩んではいます。


馬野:12月にはpogeちゃんが同人誌「無人」について書いてもらっています
「いまのやりかた」というのは?


古溝:1作品ごとに全員で語り合うやり方です


馬野:ネットではなく紙で発表するという意義はなんだと思いますか?


古溝:これは、なんでなのか突き詰めるとわからなくなるんですけど
作品が丁寧に取り扱われるという理由もあります。
詩集を出してみて思いましたが、紙のものとして出すと、みなさん丁寧に読んだり、取り扱ってもらえるというのはあります。


馬野:丁寧さかあ、なるほど


古溝:人によるのかもしれないですが、言葉への向き合い方がスマホなどとは変わるという感じ
たとえば私がミキさんの詩集について小冊子に書いたのではなく※4
ツイッターに書いたら同じように受け取られたかどうか?

荒木田:たしかに

古溝:これは、紙のどういう力なのかわからないですけど、たしかにネットとは違うものがある

馬野:「抒情詩の惑星」きっかけで 12月の朝日新聞の夕刊に 詩を掲載させていただいたのですが でも逆にその
それで反応がたくさんくると えー こんなこと普段自分言ってるけど きみ注目してくれないじゃんーとも思えるというようなところもあったりはしますけどね※5

古溝:まあそれはわかりますw



馬野:11月 古溝君 すきな作品あるでしょうか?

古溝:千島さんの「ミュージシャンが書いた系の文章」
正直かつとてもよく自分を見ている感じがいいし、ミュージシャンが書いた系の文章、という言葉につまづくのがいいですね

馬野:アレクセイ君なんかもそうですが正直スタイルですよね タイトルの引力も強い
正直かつとてもよく自分を見ている って
結構高度かもしれないですね 大人になると。では12月へー


「抒情詩の惑星」2021年12月

荒木田:向坂くじらさんの「あったかくして」 いいなあと思いました
とりとめのないようでちゃんと展開しているというか 弛緩しているようで頭のてっぺんからつま先まで、細い緊張でちゃんとつながっている感じがする
はらはらする

荒木田:私はいい詩は読むと悔しいのであんまり読みたくないです 笑
おもしろくないと感じる詩は腹が立つしおもしろい詩は悔しいし、詩を読むのは嫌いです

古溝:これはよくわかる

荒木田:ほんとー
なんかうれしいです


荒木田:わたしは基本的に腹を立てているので

馬野:w

荒木田:ストレス感じながらも「抒情詩の惑星」は読んでますよ
書くのも読むのもやめたら楽だと思います

馬野:まあそれは「生きる」ということもまあそうですかね

荒木田:ですねえ
生まれちゃったんだものねえ

馬野:めんどくさいこと多いじゃないですか 社会生活

荒木田:ですねー 古溝さん、合評会でケンカになったりはしないですか?

古溝:けっきょく信頼関係がないと続かないと思いますね合評会

荒木田:そっかあ

古溝:すぐ喧嘩になるタイプの人は続けられないと思う

馬野:w



古溝:12月は稀月真皓さんの「サンタさんへ」 がよかった

馬野:実は一度書きなおしてもらったのですが

古溝:歌詞として書かれたのかなとも思いましたが

馬野:ええ

古溝:いやもう私はこういう題材に弱いというだけかもしれない
ある幸せな光景を疑わせるというか、さっきの家族のことでも同じですけど・・・

荒木田:その点でいくと、丘野こ鳩さんの「真夏野」もよかったと思います

古溝:丘野さんはいいですよねえ

荒木田:わかる と わからない のぎりぎりをなぞるみたいなのが好きですね

馬野:自分も頭脳ではわからないです ただなんかいい感じだとしか言えないかな


荒木田:わかる必要もわかってもらう必要もないんだよね
それなのにわかってほしいって思っちゃうから苦しいんだ!!


馬野:えーなんかすごいその言葉!
自分は分かってほしいと強く思うからなあ


荒木田:苦しくない?

馬野:苦しいです

荒木田:笑


馬野:丘野さんの原稿はむかしの日記だそうです


馬野:猫道君の原稿は ぼくは すごく意義があるなあと思います

古溝:思います
詩とは?詩人とは?という問いに正面から取り組んでいて素晴らしいと思います。
ちなみに私も詩人と名乗ることができなかったので、全然表現者としては違うタイプですけど共感のようなものがある


馬野:ええ なんでも詩だよ と それは詩ではない は ある種同義語だともいえるでしょうが 一旦こういう態度を表明することは 意義のあることだと思います

荒木田:そうだね



馬野:えー 間に休憩挟んでざっくりもう五時間弱ですね 三人で喋らせてもらっています
拾い切れていないところも多々あるでしょうが、そろそろまとめに入りましょうかー
何かいい残したこととかありますか?

荒木田:なんだろうなあー
詩ってなんなんだろうなー


古溝:けっこう適当なことしか言っていない気はします
チャットは難しいですね


馬野:しかし三人で今日話せて うれしかった よかった


四か月なんとか 続けさせてもらい 感謝しています
ずっと 感謝って言葉きらいだったので 個人的にはめずらしい感情です

荒木田:らしくないと思ったぜー笑

馬野:orz まあでも 感謝はまじ


荒木田:書き手も読み手も増えて、発展してくといいね

古溝:私ももう少し協力したいと思います、、、





この原稿は2021年12月30日にLINEのグループチャットでの対話を、馬野ミキが編集したものです。
またそれぞれの意見は個人的な見解であり好みであります。

参加者

馬野ミキ
荒木田 慧
古溝真一郎


※1 無力無善寺
高円寺の高架下に存在するアートバア。ライブスペース。約20年前、アマチュアミュージシャンであった馬野ミキはここで初の朗読会を主催する。

※2 
2ちゃんねる詩・ポエム板
巨大ネット掲示板の詩に関する掲示板。
馬野ミキ、古溝真一郎、「抒情詩の惑星」執筆者としては、構造、pogeが約20年前にこの掲示板で出会い、三都市同時多発朗読会を企画。そのレポートが「詩学」に特集として掲載された。

※3 「抒情詩の惑星」創刊記念朗読会
大島健夫の音頭にて2021年11月7日高田馬場JetRobotにて開催。出演は馬野ミキ/もり/向坂くじら/大島健夫(出演順)
コロナの影響で15名の入場制限を設ける。また、朗読の他、四人によるトークも行われた。

※4 七月堂ヤバイ本フェア
新宿紀伊国屋書店での七月堂フェアで無料配布されていた「七月堂のヤバイ本フェア開催記念配布冊子」で、古溝真一郎が馬野ミキの詩集「キム」(白昼社)をとりあげ、その小解説のなかに書かれていた「抒情詩」という単語をみた馬野が「抒情詩の惑星」立ち上げへの着想を得る。

※5 朝日新聞12/8夕刊
ある詩人の方が(俺も誰かは分からない)担当編集部の方に「抒情詩の惑星」と馬野ミキを紹介してもらえたことにより、朝日新聞2021年12/8夕刊に馬野ミキの詩が掲載される。

※6 寺西さん
寺西幹仁。
詩誌「詩学」最後の編集長。
馬野ミキと同郷であり、鳥取砂丘にて「夜の鳥取砂丘の中心で詩を叫ぶ!」を共催。

※7 ベンズカフェ
高田馬場にあり、かつて東京の詩の朗読/ポエトリーリーディングの中心地でもあったが3.11を機に閉店。
さらによい解説plz

※8 スピリット!
渋谷ルビールームにて開催されている詩の朗読のオープンマイク。多くの参加者でにぎわう。

※9 コトバスラムジャパン
予選、全国大会を勝ち抜くとパリで開催されるポエトリースラムワールドカップに出場できる朗読系の大会。
コトバスラムジャパン
もっとよい解説あればplz






※2※7 詩誌「詩学」

※3 「抒情詩の惑星」創刊記念朗読会

※4

※5