私誌東京
抒情詩の惑星 

ことばと人間復興ー


地球最後の日/リコ


爪をたてるくせがある
なんにでも
カリカリカリカリ
自転車のハンドルはボロボロ
スマートフォンのカバーも
私自身にも立てるようになって
ついに私もボロボロになってきた
あなたが今頃優しくしてきたって
私はもうだんまりきめこんでる

悪気がなくたって
傷ついたら悪口でしょう

いつかこの癖も治るといいな
治るといいな





必然の最小単位は偶然
偶然が折り重なって、繋がって必然となる

そう思ってる
そう思ってた

当時、お付き合いしていた彼女は気の強い子で、でも仲は良かった
と、言うか俺が一方的に好きだったのだと思う

ケンカしては仲直りして、手を繋いでお出かけして、そして一緒に寝て

ケンカしては仲直りして、手を繋いでお出かけして、そして一緒に寝る


なのにまたケンカして…
それの繰り返し

ある日、理不尽な怒り方をされ頭がパンクしそうになった
「またこのパターンかよ?!」

「もういい、話さないし会わないし連絡もしない!」

「そうしたらいいじゃん!!」

そうするよ、本当に嫌なんだよ
ケンカするのが、ね

一週間は何も連絡しなかった
とは言え、別れたいわけでも無い
だが、腹の虫が収まらなかった
とにかく腹の虫ってのが大暴れしていた

...

中学生の頃、毎週通っていた場所があった。折しも日本中でバンドブームが巻き起こっていた時代。東京のホコ天(歩行者天国)に対し大阪には城天と呼ばれる場所があって大阪城公園のJRの駅から大阪城ホールへの通路にバンドがたくさん出ていた。日曜のお昼ご飯を食べたら20分ほど自転車を飛ばして、友達と一緒に陽が落ちるまでお気に入りのバンドの演奏を観た。中年になった今とやってることは大して変わらない。自転車は新幹線になったしお酒飲んでるけど、それぐらいの違い。その中で一番好きだったバンドが後にメジャーデビューし、上京する前の恋人とのシングルベッドでの思い出をラブソングにして歌っていた。大学生になったわたしはそのCDをバイト先で棚に並べていた。

もうこっちは散ってしまったんですけど春ですし、お花見のお話です。

20代の前半、小中学校の同級生が集まって毎年お花見をしていました。
主に上野公園での開催で、多いと10数名が集まっていました。

若いからお酒との距離感がわからず、どんちゃん騒ぎにります。

週末だったこともあるとは思うのですが、その日の晩の上野公園は本当に混み合っていて、僕らの様な若い奴らがあちこちで大騒ぎしていました。

上野公園というのは入り口から行くとなだらかな坂になっており、その坂の沿道に隙間無くソメイヨシノが植えてあります。
つまり、花見客はその傾斜にシートを広げ座っているので皆、若干左に傾いているのです。

本当にその夜は混み合っていました。皆ちょっと左に傾きながらベロベロになっています。
...

大正時代に、「日本少年」という雑誌があった。児童向けの、啓蒙的な月刊誌で、昭和三四年(一九五九年)生まれの僕は、子どもの頃にこの雑誌を一冊だけ目にしている。家に、関東大震災の特集号だけが残されていたのである。親が、なんだか記念品的な感情で、処分せずに残しておいたらしい。関東大震災を受けての諸外国での対応が印象的であった。「歌舞音曲の禁止」というのが、結構あったのである。それは、この時代の矜持の一つであったのだろう。それぞれの国家の、一人ひとりの国民には無縁な存在であるアジアの一国家での災害の報を知り、享楽に耽ることを戒める。
けれどもそれは、禁令を出した国々での個々人の生活への干渉という要素も含んでいて、今ではむしろ、反発を生むものではなかろうか。

...

駆け抜ける
空へ

いぬ
純粋な

空色、
空色の
君のたましい
傀儡であって
傀儡では無いよ
けっして
機械仕掛けの
純粋な欲

春の日差しの中を

君を縫い付けようか
僕の命に

歓びだけに忠実
優しい蜥蜴のような
右目の青
愛を知らず
愛そのもの
視えない魂
光の中を駆け抜ける
透明な犬

いぬ
笑うような叫び
いぬ
叫びのような笑い...

入国審査の顔認証で、テコズル。
「僕です!本当の僕です!」
と眉間に皺を寄せて、大きく目を見開いて頑張り過ぎで、本当の顔とかけ離れて行く。後に中国人?の列。

遥か昔、誰もが何処からか来て、何処かの国に混ざって行った。
襲ったり、偽ったり、貢ぎ物をしたり、それぞれの努力をしただろう。
僕もカメラの前で、何か言おうと考える 。

今回は汚い、辛いのそれですので、ご準備ください。

話は長くなります。

24ぐらいの時だと思う。
入墨を入れました。

我が身ながら、なんか良くわかんなかったの。あいつもそいつもあんな奴も、とにかく皆んなして入墨を入れたの。

あんまり言いたく無いけど…

これって誰が読んでるか特定出来ないからね。

俺は俺でふくらはぎに入墨入れたの。

スタジオに行くわけ。「ふくらはぎに七福神の布袋様を入れたいんです!」
布袋様が好きなんだよね、キャラクターとして。

怒られるわけ、激しい剣幕で初対面のその彫師に、すっごかった。
「お前よ、神様は心臓より上に入れるのがスジだろ?」
すっごい怒られ方したの。
「なんで初見で?」「神様?」「胸より上に?」

なんなのこいつ?
そんなルールあるんだ…
最初に言ってよ。

...

自転車を置きスーパーの入口を目指していた
前方を小学4年生くらいの女の子が歩いていた
言われなかったら気づかなかった

「お嬢ちゃん、くつひも、ほどけてるわよ」

すれ違いざま
おばあさんが言った

女の子は一瞬立ち止まり
こくん、と頷いた
だがその場でしゃがむことはしなかった
むしろ歩く速度を上げて 店内へ
おばあさんは不思議そうに見ていた

ただならぬ気配
びゅらびゅらと 足もとで揺れるくつひも
いつまでも
結ばずに
そのまま人類の進化の図のような早急さで大人になってしまうんじゃないかというほどの頑なさで
女の子は
どこかへ消えた

あの子が安心してくつひもを結べる場所はどこだろう

ちょっと恥ずかしかっただけかもしれない
小腹が空いていたのかもしれない
ほどけたくつひもは自分で結ばない主義なのかもしれない
すべて気のせいだったのかもしれない...

「おれの土地」とかヤバめな幻想吐いてるやつには
お薬分けてやるぜ

4階の甲州街道沿いの矢面で、
頭の中のノイズと戦っていた。
最近自分なりに用事をパパパッと済ましていた。雨が降りそうだったから、部屋のカーテンの隙間から常夜灯の真四角いような側面が少しも濡れて無いな、さ、行かなきゃと雨を避けて行動する。
虫にも五分の魂どころか、完璧に脳が有るらしくって、大好きな家グモちゃんが、この前から部屋にいるカメムシの赤ちゃんを食ってくれたみたい。
それはそうとな この雨は まいいや とシェフが言う。
4階で静かにしていると、なんだか雨に紛れてあのお店が全てを大掛かりな機械で細かく砕いてかき混ぜて、ポタージュにしている。
シェフが又雨を眺めに少し空を見に入り口からみあげて、
それはそうとな この雨は まいいや
...

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