「地獄が待っているぞ~」西村太一

2023年05月23日

大昔ろくに働きもせず、
お金がなくなったから、
夜な夜なお変人のように
暗い夜道をあるいていた。
どこか誰からも知られないところへ
逃げたくなったからだ。
独り暮らしの障害になるような、
あいつらがいたからだ。
何もかもが嫌で仕方なかった。
知らない夜道をあるいていた。
どうしたもんか、退屈だし、
近所の嫌いな知り合いが訪ねてくるし、
大量服薬をしては、鏡に映った顔が、
目尻がつり上がっちゃって、
人間って希死念慮があると、
こうも顔つきに出るのか、と思った。
鬱が酷くて。
夜中は近所のラーメン屋へ、
お金もないのに食べに行って
浪費していた。
目が覚めたら病院のベッドで寝ていた。
起きて、看護師さんに訊いたら、
ラーメン屋の前で倒れていたんだって。
そんなにラーメンが食べたかったのか 





西村太一