「夏の日」竹村雄哉

2023年05月07日

もう始まってしまうのかと
エアコンの掃除をする
もう終わってしまうのかと
服の整理をする

宿題は無いから
自分で作ることもあるし
昼間の外出はつらいから
空の青さをあまり知らない

誰かの撮影した夏で満たされて
よく冷えたビールを飲む
刷り込まれた記憶に気づかずに
満喫をしている

もう死んでしまった人たちが
帰ってくるから
部屋を片付けて
灯りをともそう

好きな季節なんて
どこにもなくて
毎日毎日
泣き言を言っている私は
敬遠されてさらに泣いて
蝉の抜け殻をひろっている









竹村雄哉