「秋月祐一とけんごの短歌ワークショップ 〜はじめての短歌〜 第七回」けんご

2023年04月03日

前回提出させて頂いた短歌を
初めて秋月さんから完成している!
とか言ってもらってうれしいですがまだまだです!
スゲー短歌はもっと超スゲーのでそんな短歌がこの世にうまれる様にお力をお貸しください!

【原作】
天気雨濡れた背中を陽にあてて虹はどこだと自転車をこぐ

【改作】
虹はどこだと自転車をこぐ天気雨濡れた背中を陽にあてながら

今回短歌の見え方感じ方の違いについての参考として詠んでいただいた改作と原作ですが、
自分で詠んだ歌をいじって頂けるとご解説の意味が良く分かりますね!
時系列をずらす事によって
同じ内容でも見え方が変わっている事が良くわかりました!

こうした短歌のテクニックを知ることはとても面白いです!
このワークショップのおかげで
何首か短歌を詠ませて頂いて
秋月さんの繰り返しおっしゃっている
5+7+5+7+7=31音の短歌の定型
この詩型に収める事の意味
やってみて、すこーし解って来た気がします!

短歌の特徴を
秋月さんは今までのお話の中で

 たった一首を読むだけで世界がちょっとだけ変わって見える様になるもの

 一首の背後にたったひとりの顔が見えるものが短歌である

 短歌は一瞬の情景や感情を切りとるのが得意で、
感動の一点突破に向いている

 小さな、手ざわりのあるものに焦点を当てることによって、かえって読者の想像力が広がる、ふしぎな詩型である。

このようにおっしゃっていて
中でも
「読者の想像力を広げる」
コレにとても特化しているのが短歌かな!
とちょっぴり思いました。

「物をして語らしめよ」もそうですが
読者と作者との間で共感できる具体的で、手触り感のあるもの

例えば

熱すぎるお風呂に足突っ込んじゃった時の「あっつ!熱ー!」とか

お寿司食べて手についたお醤油舐めた味

交通事故で車がぶつかった音

カレーの匂いとか

大方の人がアレな!と思う感覚は
いくらでもあり、
まずは
自分の言いたい事伝えたい事のまわりを良く見て、描きたい事にとって
最もふさわしいものを見つけて入れてあげると
読者と作者の間を繋げてくれるんだなと思いました。

そして定型の31音そのものが
あらわしたい世界の舞台であり
舞台の中で起こる演劇を、観るお客様ははじめから
その舞台の中で何が起こるんだろう?
と舞台を見つめてくれている。
コレが自由詩との一番の違いだなーって思いました
自由詩はオープンワールドのゲームのようで
どこに行っても良い、何をしても良い!
そういう所が楽しいですけどね。

そして
舞台劇を観てて
お客さんだと思っていた人が突然席を立ち劇に参加して行くなどの奇抜な演出が
字余り字足らず、初句七音などの効果かなーと思いました。
でもそれらは
あくまで舞台小屋の中での事であり
観客の方々はどの様な奇抜な演出であったとしても
それが定型って言う舞台の中の物語に、どうやって繋がるのかを観たいなと思っている。

創りてとしては窮屈に思う時もある定型ですが
読者の方がそもそも定型から溢れて消えた言葉達を探そうとしてくれている
長年に渡り愛されて来た短歌って文化の強みだなーと思ったりもしました!

初めに書かせていただいたテクニックの様な事もそうですが定型の中に自分の伝えたい事を収めるための道具
世界観を補助し強くする物
舞台装置や衣装、音響、照明
それがテクニックなのかなー
とかそんな事をちょっぴり思いました!

今までのワークショップを
一旦振り返らせて頂いて今のところ感じた事を書かせていただきました!

さて!
前回僕が提出させて頂いた

 夜と朝太陽と月夜明け前昼に生まれて燃えたかった月

こちらの歌に対して
一首としての要素が多い
下の句を生かし、人間の心情の比喩ととして詠んではどうか

と言う
ご指摘ご提案をいただきまして色々と腑に落ちたところがあり。
書かせて頂いたのですが、
もともとの歌を分解して
初めに言いたかった事に立ち返り
書いてたら、歌がめっちゃ増えてしまいました

とりあえず貼らせていただきます。


 満月がひとりぼっちで歩いてる朝はむこうとつぶやきながら

 月光が闇にもたらす静寂にこの身をゆだね朝を待つ四時

 月明かり朝の光に消されてく夜を照らした君であるのに

 やあみんないのちはたのしいかい?と聞く月の声色みえそうな夜

 命さえ持つことのできぬ宿命をこの身に刻み夜の道行く

 静けさを捨ててこの身を焼き尽くす私はいつか太陽になる

 いつまでも交わることのない道を並んで歩く夜の道連れ

 夜に生き命を燃やす人間と昼に生まれて燃えたかった月


八首になってしまいました。
なんだか短歌と詩が
まぜこぜになっている様な気持ちです。

ご推敲ご指摘などよろしくお願いします。




秋月祐一とけんご