ようこそ現代ポエムの世界へ

私誌東京
抒情詩の惑星 


専門家や愛好家ではなく、すぐ隣にいる誰かに通じようとする詩
ことばと人間復興ー

扉絵:Kanon


女が言うことは寒い、眠い、腹減った
広島名物カープ、ソース、ブス
犬も歩けばヘラにぶち当たる
ジジイの点滴もオタフクソース

毎日毎日、迎え酒。
業務スーパーで買った氷をグラスに入れてキンミヤ焼酎20度をそそぐ。
水道水をジャッと入れてポッカレモンを垂らす。
重めの二日酔いもなんとかバイト中に抜けた。
薄めのヤツが毎日呑むには丁度いい。
昨日はライブをヤッた。新曲をヤッた。
出てるヤツ全部良くてはしゃいだ。楽しかった。
打ち上げで行ったあの中華屋の蕎麦焼酎は効いた。安かったし(多分)また行きたい。
あっ!と言う間に終わってしまって寂しい気がしてきたけど本格的になる前に昨日の余韻で駆けつけ一杯。

これが私の毎日迎え酒の仕組みである。
友達が死んだって聞いた時もとりあえず酒を呑んだ(そういう時はまずビール)。
体調を崩したら呑まないっていうマイルールがあるんだけど、数年前にコロナになった以降は崩してないから毎日酒が呑める。
...

件の8/9の事の後
後ろ髪を惹かれつつ
現場から移動して

この橋の下で
イベントを終えた
ささやかな
アフター
パーティ。
宴の後の宴
心配されていた
集中豪雨が
滝の様に
一気に降り注ぐ中
いつもの様に
ビニールシートの上で
落雷や
豪雨もなんのその
気温もぐっと下がり
横殴りが差し込む中
たいして気にする事なく
ああだこうだの歓談。
煮え切らないお魚さんらと
長時間、灼熱の太陽の下で
煮え過ぎて真っ赤に焼けたお魚さんら
湿ったシートの上に
そのまま雑魚寝していた
朝になれば
嵐も
雨も止んでいました。

都立図書館にいった。
外は夏らしく普通に暑いが、館内に入ると寒くて鼻水と、苦沙味が止まらない。
とても書物に集中できない。
「冷房が効いていない場所や席はありますか?」と聴くと、「熱中症が怖いのでそういう場所はない」という。
私は熱中症より冷房が怖い。
結局、短時間で外に出る。外に出ると熱くてホッとした。
熱中症が怖いから即冷房というのが、いつの間にか、街づくりの、おかしな常識になっている。行政と建築家も風が抜ける方法などのデザインや工夫をせずにクーラーありきのスタイルしか提案出来ていないし、そういうのをつくるグループが入札を得る。
...

浅草押上の商店街に
にょきっと突きでた東京スカイスリーを見上げ
ウインダムだ
ほんとだ ウインダムだぁ
と はしゃぐおっさんふたりを
同年代のおっさんが これまた不思議そうにみつめている
ウインダムとの再会によろこびを隠さないおっさんと
彼と過ごした記憶をまったく失ってしまったおっさん
どちらも痛々しく思われるのは どうしてなんだろう

おっさんとはこれほどまでに哀れな存在なのか
今までおかしてきたかずかずのあやまちを
背負いつづけて生きることの意義を振りかえるとき
ふと股間にかゆみがはしり
それでもつぎの一歩を踏みだすべきか
正解などあるはずもなく
パンツに手を入れ ぼおりぼおりと音をたてる

そう 悲劇は
かんたんに喜劇へかわるんだよ
歳を取ればおのずと分別や常識が備わるものだと
思い込んでただただ待っていたという事実に
...

今から30年くらい前です。
突然、実家に来た男が玄関で言った。
「すんません。お宅の土地に勝手に家を建ててしまいまして、これはお詫びです」
そう言って、男はカニの包みを渡した。
父は「いやいや、それは困ります」と言って、急いで、中川家の離れた土地を見に行くと、すでに中途半端なバラックが建っていて、少女が汚れた顔で、遊んでいた。
とりあえずその家には、立ち退いてもらったのだが、その後訪ねると「男は別の犯罪で、網走刑務所に行った」と、ご近所さんが教えてくれた。
少女が何処に貰われていったかはわからない。
この辺りは「さんか」と言って、戸籍を持たない人が、山から降りて来て次第に定住した地域だ。
...

問題を出します。已己巳己、侃々諤々、魯魚亥豕、烏焉魯魚。この四字熟語の中で意味が全く違うものを答えて下さい。但し他3つも、多少意味は違います。読み方は順に、いこみき、かんかんがくがく、ろぎょがいし、うえんろぎょ、となります。簡単でしたか?消去法でも解答出来るかもしれません。已己巳己って面白くありませんか。答えは短文の最後に。悪銭身につかずなのでしょうか。臍繰りを企てても、お金なんてあまり貯まりません。この状況を禍転じて福となすといった具合に、うまく屋台骨を設けられないものか。全く不養生なのか、ニコチン、カフェイン中毒なのですが、どちらも摂るとほっとします。煙草を吸った次はインスタントコーヒーのブラック。特に顕著なのがカフェイン中毒です。食後や何かの最中に少し手を休めて、カフェインを摂る...

鳩が平和の象徴と言われる訳は、旧約聖書のノアの方舟の物語りの一節によります。そう言えば小学生の高学年の頃、飼育委員会に入っていて、鶏と兎を飼育していた時に、森◯君が、小屋に紛れ込もうとする鳩がウザったかったのか、重たい扉で挟んで圧死させようとしていて、傷ついた鳩を女子が安全に保護していたのを思い出しました。そんな残虐性ですら、少し面白い事をするなあと本当は思っていました。でもあれってキリスト教の人からすると、縁起が良い鳥なのですね。そういう事が出来るから森◯君は人気者の可愛い系だったんですね。府中市の美術館へ行った時、当時の知り合いと広場のベンチに腰掛けて何だか暖かいなぁと思いながら、何をするでも無く小春日和を満喫していたら、鳩が沢山群れを成していて、ご年配の方が犬の散歩をしているの...

なくしてしまう、折りたたみ傘の
傘袋
小さくてポケットに入る
夕焼けをなくした空の紺色
なくしてしまった、折りたたみ傘の
傘袋
なくしてしまったら
雨の日、トートバッグの
文庫本中巻から下巻にかけて湿る
それで、傘袋を忘れ果て
物語もつながらず
折りたたみ傘も
ポキポキに折れ果て
昼でしかない夜に
シルクロードの片隅
葡萄の樹の下
ポケットから
見つかる、傘袋
雨の降らない邑
音さえも喪う夜に

風の色の傘袋へ
かさかさに干からびた
ことばの骨を容れる





当時「方舟」と、
呼ばれてゐた建物の部屋で、
あなたは、何人も何人も何人も、
その裡に取り込もうとスル
革ヘルの似合いさうな女であつた。
化粧気の無いソバカスだらけの顔は
夏の夜空をネガポジ反転させたやう
一重のかなり吊り上がつた両の目は
二重にブレて世界が見えてゐるやう
其の偏つた知識の範疇で
生き抜いてきたものだから
会話にはならぬが対象には成ル。
藝術にはならぬが射精には足ル。
愛情にはならぬが心象には遺ル。
当時「方舟」と、
呼ばれてゐた建物の部屋は、
空つぽの本棚。褪せたベルボトム。
花柄の魔法瓶。虻。天花粉。半券。
硬い綿下着。中身違いのLP盤。
ゲルニカのやうな柄のカアテン。
朝日。希硫酸。傾いたテイブル。
あなたが
泣きながらいけた造花。

街に、
私達の
敗北を告げる地鳴りが
白白しく響きわたつたのだつた。





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