私誌東京
抒情詩の惑星 

ことばと人間復興ー



人の名前を間違えていることがあった。福祉の職員さんとか後2、3人とボードゲームをしていました。
職員さんなんだからわざとまけてよ宮下さん
宮武です。
あ、えぇっと。みやたけさん。
んーん。難しい局面になってきたな。あ、そんな無碍にみやもとさ 宮武です。
あ、すみません、みやしたさ
宮武です。
おかしいな。名前を間違われるようなかたではないんだけど。僕ちょっと危ないかな。うーん。これでこれ、あってます?
はい。あってます。じゃあこれ、交換して下さる方。あ、それなら私が。いいの?結構得しちゃうな、ありがとうございますみやしたさ
惜しい。宮武です。
ありゃあ?全然ゲームに没頭していて瞬時にみやえーっと、たけさん、って出ない。
じゃあ次の時には覚えて来て下さい。
はい。
...

T-theater再起動の計画をぶち上げたのは良いものの、組織作りの宛てはなし。顔見知りの若い方に、マネージメントなどが出来る人を紹介していただこうと、相談を持ちかけた。このとき、実は相手がマネージメントとかをやってみたいと言い出してくれないかなという下心があったことも明記しておこう。しかし、話し始めてすぐに、相手の方はバックステージを勤めるよりも、表現者として表舞台に立つことの方が相性が良いのだと気がついた。さらに、二年後の舞台の手伝いへの確約はできないという。
その瞬間、僕は口にしていた。
「実は九月にPre企画を予定しているのですが、一緒に共演しませんか?」以前の舞台で周囲のメンバーがさんざん悩まされた、奥主の思いつき発言である。

...

離婚後、23区の外れの木造アパートで
つつましく孤独に暮らしていた
隣駅の100円ショップのレジ前でその子をみつけた
バニーカクタス
兎の耳のようなかたちをしたサボテン
家に持って帰ってこたつテーブルに置くと
バニーカクタスは喋り出した
会話が続いた
ぼくは幸せだった
次の日、もっとサボテンやら多肉植物やらを買いに行った
そうするとその子、もう喋らなくなってしまった
あんなにおしゃべりだったのに
ひと言も
最初から私は喋ったりするものではないのです、という顔をしてすましていた
なぜぼくは、たった一つの大事なものを
もっと増やそうと思ってしまったのだろうか。

例えば僕が声が発っせなくなっても
デリケートな問題がなくなっても
生きる屍になっても
今川焼に白餡しか無くなっても
山の川でお饅頭を食べながら黄昏ていても
無性に桃が食べたくなった時に売り切れでも
恋愛でゾッコンになって幾ら切なくなっても
サーキュレーターが壊れても
もよおしてトイレへ驀地で間に合わなくても
大雪山に置き去りにされても
育てているシクラメンに虫えいができても
心に決めた人に対して他人へ浮気はしません。
俺に求愛されたら逃げ惑うだろうな
こらこら また逃げている

大西美千代は個人誌『そして。それから』という個人誌を長く発行していて、通常の行分け詩に加えて写真詩という独自のスタイルを追求している。私も長年拝読してきた。個人誌だから個人的な生活も垣間見えることがある。家族にまつわる(要らぬ)苦労は、家族拒否症の私には受容しがたいところもあった。四国遍路旅の記録からは、決断も断念も素早い人だとわかった。執着心が薄いところは私と共通する部分もあるようだ。
2021年の前詩集『動物詩集...





伊藤野枝が、親から決められた結婚相手との関係から脱走したという話題は、野枝の奔放さを語る際に蒸し返される話題である。しかし、九州から東京への鉄路の旅路は、協力者なしに成立しえないものであった。野枝が残した文章を読む限り、そのための用意は周到なものであった。彼女は極めて理知的な思考の持ち主であった。そうして、おそらく女性であるというだけで見下すことが当然であった時代に、その知性は彼女を憎悪の対象へと追いやった。最終的には「常識」と名づけられた理不尽な因習に囚われずに振る舞う彼女と大杉榮は、その天衣無縫さゆえに兇刃に倒れることとなった。(命令を下した憲兵隊の甘粕大尉に対する形の軽さに関しては、真犯人が別にいたからという説もある。これに関しては、近代史のタブーの一つという噂もある。)

...


密売は蜜売、蜜の味は金の味

俺の名前は横山隆、ヨコヤマタカシ
「タカC」の名前で地下メンズアイドルグループの「TONE de PONG!」
(飛んでポン!)のメンバーだ

アイドルとはいえ状況は厳しく地下は地下なのである
動員数云々の前に少ないキャパの箱しか用意されず(客との距離感が重要との理由で)ライブのその日の客とのチェキでの2ショットで食いつないでいた
1枚2千円、そのうち俺の取り分は20%
1枚知らない女と写真を撮って400円のバック、これが救いだった
CDが何枚売れたか?知らないよ

「横山さん!横山さん?」
しつこいな、怖いから聞けないんだよ!

謎のプロダクション

これって俺がしたかった、なりたかたった姿なのかな?

...

好きなバンドのライブを観るために遠い街へと出かける、いわゆる「遠征」をする。時どき、いや頻繁にする。2023年の7月に広島に行ったのが皮切りなのでちょうど一年が経った。広島に始まり東京、岡山、名古屋、年末にもう一度東京、千葉、また東京、そして先週末は金沢へ行った。稼業を休み家を空け交通費と宿泊費を払ってまで観たいライブがあるのでしょうがない。人生いつ終わるかわからないもの。そのために働いているし。

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