ようこそ現代ポエムの世界へ

私誌東京
抒情詩の惑星 


専門家や愛好家ではなく、すぐ隣にいる誰かに通じようとする詩
ことばと人間復興ー

扉絵:Kanon


朝は自分の椅子に座り
自分で挽いた珈琲を飲みながら
海際に建つ言わないホテルを見る
ベランダへひらく硝子戸から
そのホテルは見える
ひどく老いた壁を朝はしている

午前は自分の椅子から
言わないホテルを見て過ごす
海まで4キロのあくびのなか
ビルらしいビルは
会計士のビルくらいで
ホテルの窓のうちまで見えそう
でも見えない
それが言わないホテル

昼は麦焦がしをねっとりと食べる
言わないホテルを正面に見ながら
ルームサービスは
カレーとティラミスかもしれない
午後は海風にふちどられた
言わないホテル
おおきさは乳輪くらい
自分の椅子で昼寝をする
ホテルを見ている夢を見る

夜の言わないホテルは好きだ
屋根のあたりが四角く点灯し
壁がひかりで橙に染めあげられる
梅雨のころの枇杷みたいに
煌めくホテル
若返るホテルを見ながら...

ぼうっと明るい雨が降っていた
ぬれたアスファルトのにおいが鼻の奥にきつく立ち
ホテルの横では従業員が、小走りに洗濯物をとりこんでいた
よく走る川沿いには
木にシャツを干す人がいる
エルメス、自傷、三万人と並んでも
それらは花に見えない
ふと、「芙蓉のめしべってイボチンポみたい」と声がする
振りむくとそこに鉄棒があった

アオハダの実を齧るのか
毎朝ヒヨドリが家にくる
俺を見ると向かいのアパートの屋根に飛ぶ
俺に似た寝ぐせをつけている

会社裏手の線路には
コスモスの群れが揺れている
そのうちの一つが蠢いて
ふいに空に飛びあがる
白い羽は日に混じり
次の花に着地する

俺はその場にしゃがみ込む

すべて、気のせいだったかもしれない






風を受ける花

雲ひとつない青空は

薄ら笑いを浮かべながら

自由を掲げている

​蝶を虫網で追い払う少女

少女の周りを執拗に飛び回る蝶

繰り返し舞い戻ってくる蝶に

虫網を何度も何度も振りかざして

​痛い あなたの真実が痛いから

手を止めることが出来ないでいる

​滅びながら向かってくる蝶

飛び散る鱗粉は

声のない悲鳴のような

冷たい破片となり

光を浴びては

キラキラと輝いて

ああ、空が今にも痛い痛いと

泣き出しそうだ

なき父が、晩年羽織っていた作業着。若き頃はいつもスーツを愛し纏っていたけど、その後は紺色の作務衣を好んでいた様で、それが沢山残された。
昨今、わたしはこれを引き継いで羽織っている。
藍染のこれは、父の香水の匂いものこっていて、この香水が、私は子どもの頃はとても嫌いだったのですが、父が物だけ残していなくなったあと、加齢臭と香水の匂いが残されていて、わたしは数年間洗うことができなかったのだが、私の体臭も重なり、いい加減汚れてきたので洗濯することにした。

今年は、夏以降雨が多い。
おとといは、布団類を干しっぱなしにして外出して丸2日、長時間びしょびしょにしてしまった。こんなことは人生初体験。布団は濡れても晴れたら乾くから大雨で洗濯できてよかった。...

そン日の太陽は空に叩き付けた熟柿
地元ンから抜け出す事は永久に不可
逃げやうにも骨が脆いから不可不可
潜在意識飛べル過去で飛べルレベル
純トロをオロC瓶のほつそい口から
三重にしたポリエチレン袋に灌ぐの
揮発して薄まるンが勿体無いからあ
袋ン口を輕く中指薬指で抓んでなあ
袋ン角が▽になればブルトツピンで
口を袋ン口で包み込むと瞬時震えル
すつぽりと己ン中に己が入りこんで
内側の粘膜が外側に捲れても痛くね
目尻や亀頭からぼたぼたZ望滴つて
涎の溜りン中で溺れル産まれたてだ
眞上からあ見下ろシてたのは誰と誰
糖蜜のやうなスピイドで蕩けて逝く
ギシギシ音たててロンパリ気味の誰
生殖器を交換して大口開けて吼えル
ロバのやうな歯茎剥き出しの商売女
醒めてしよぼくれた口淫後の黒百合
罪を罪で稀釈してゆけば充分遣れル
...

そのキリエル人は目醒めた。棲み処である次元の断層から彼の惑星を覗く。
邪神は斃れ時代は過ぎていった。ゲームの終焉? ——そんなことは無い。
二足歩行の躰を想起し思念だけの存在からキリエロイドに実体化する。
彼の惑星に通じる路を考えるとすっかりと古びた苔むした門が顕れた。
かつて地獄の門と呼ばれた禍々しさは過去のものとなった。惑星の側から
過分に湿った温かい風が吹き込み無色透明の水がキリエル人の膝を浸していく。
しずかだ。
視界が啓ける処まで歩こうとする。みどりのわずかな蒼穹の裂目を巨大な
烏賊が羽ばたき横切って往く。苔の丘に擬態した捕食者が待ち伏せして
突如として沸き上がり躰よりおおきな腔を開けキリエル人を呑み込んだ。
キリエル人は喰われながら捕食者の脳に接触を諮る。知性を認めない。
...

わたくしこと宇治金時が金に汚い話しを一丁。今から詐取目的で欺罔(ぎもう)をしに、あちらへ用事に行って参ります。まあまあな売れ行きなようじゃない。唐揚げばかりが爆売れしているの?安いしねえ。ちょっとスタッフルームに入ります。あなた何者ですか!勝手に関係者以外が入って行かないで下さっぎっ、バタン。ガチャっ。鍵を閉められたらあたしら入れないじゃないのよ!全て宇治金時にお任せ。タイピングの音。何何、何なの?ガチャっ。出て来た。わたくしやる事やりましたんで。何を?確か一度も面識がございませんが?取り敢えずどうなるかしらね。そして宇治金時はお帰りになられました。店長、電話が鳴ったので話しを聞いたらご用事のようで。受話器を渡す。は?宇治金時さん?今日中にも店長の口座に10億円単位で一本あちらからご入...

平等のように見える詩歌の世界にも序列はある。たとえば、詩のイベントにゲストパフォーマーがいる。たとえば、話す機会のある中央の選者と、話す機会のない地方の選者がいる。たとえば、書店が扱う詩人と、扱わない詩人がいる。その序列をあたりまえとして受け入れることが詩歌の価値をつくっているとされている。でも、序列ではない別のシステムが詩の価値をつくるとしたら、それはおもしろい、と私は考えた。そこで、静岡県で詩歌展示販売会「詩丼」をはじめた。
...

愛おしく広がった夕焼けを見ないで

「ソープランドだって、昔はトルコ風呂って言ったんだよ。世の中変わっちゃうね」と寮の労働者達は話す

「俺の地方はさ、ラーメンにレタス入れるんよ。ホントよ」

と言いながら凹んだヤカンでカップ麺のお湯を沸かす

そうだね
食べることと 女と
あと何だろう

それだけでも良いけど

この瞬間も何か大切なゴールに向かっているとやっぱり僕は思いたい

そうでなければ 持ち堪えられない
空の大きさと
ここまでの遥かな距離

日程が近いのか一週間に入ってたのか
tamatogiとそのあとの大阪行きは
同じ旅行プランに入っていた
6月7日日曜日tamatogiは
できればこのテキストを読む経験をしたくなかった
朗読をした
しかも皮肉なことにその前のトイレで
ジュテがいて
ジュテの詩が間違っていないかの確認と
彼女が今どうしてるか聞いてしまった
ジュテからは聞きたくなかった
この朗読は無力無善寺でも披露したが
評判が良かった
今回も珍しくいろんな人からリアクションがあった
もり君、林ツインズ、あゆみちゃん
うれしかった
究極の結果オーライだ
ゲストの滝弥が組んだ3人組は素晴らしかった
よく磨かれていた
上には上がいるなあ
今回は新宿に泊まったので
Bar Kでゆっくりした
えずらマスターと
何歳と付き合うかじゃない誰と付き合うかに
激しく同意する
...

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