ようこそ現代ポエムの世界へ( ・෴・)

私誌東京
抒情詩の惑星 


専門家や愛好家ではなく、すぐ隣にいる誰かに通じる詩
ことばと人間復興ー

挿絵:ぴき


「わたし、ダイエットやめたの。豆の。」
「あ、そう。」
「頭の中、ガルバンゾって言われた。」
「へえ、違う豆も食べてたじゃん。」
「豆はミネラルが豊富でいいんだよ。健康的。」
「なんか、飯食い行くか。」
「うん。ダイエットやめたら、ファストフードって決めてたの。」
「バーガーか。」
「うん。そう。やっぱり、背徳大事。」
「鍵とってよ。」
「ドライブ・インって、夜が、呼んでる。だから、あんたも禁煙したら。」
「なんで、嫌だよ。」
「ああそうですか。ねえ、なんで赤にしたのかな。テールランプ。」
「え、止まれって、ことじやね。赤信号とか。赤いし。」
「もっと、いろんな色があればキレイなのにね。夜のイルミネーションになるじゃない。」
「え、めんどくせえよ。わけわかんないじゃん。」
「ファンシーの新曲、かっこいいよね。」
...

いまから即興のアートをやりますと言って
誰かがペンキを身体をぶっかけた後に
走って壁に体当たりして
即興アートです、というので
それは即興アートじゃなくて
お前が勝手にペンキを被って勝手に壁にぶつかっただけだろう
と思ったが大人なので言わなかった

それから別の誰かが15メートルくらいのうんこを作って
これは現代アートです、と言った
15メートルのうんこはやっぱり迫力がある
でかい
俺は作者であるE・山口に「これはアートってゆうか、ただのでかいうんこじゃないか?」と言ったら
「日常とものの見方を変えてみることが大事なんです」というので
「何でも15メートルくらいの大きさで作ればアートかよ!」と言って襟首をつかんで暫くにらみあって疲れたので仲直りした後、二時間くらい全然関係ないエロい話をした

...

音楽や仕事や、色々やめた後だったので、新しく始めることを無理に好きになろうとして、僕はインドプーリーの海岸にいた。
インドも好きになろうとしていた。
サンセットを見るのに、わざわざ一人海岸に座っていると、インド人の父子が歩いて来た。
「おー日本人!この海岸で夕陽を見ながらバーベキューをしたくはないかい?」
と言う。
別にバーベキューは、したくなかったが、何とか帰って欲しくて、「バーベキューしても良いよ」と降参した。
するとインド人父子は、「じゃあ市場に魚と野菜を買いに行くから500円くれ」と言った。
え!今から行くの!?と思ったけど、もうこの頃には夕陽が沈み始めて夕焼けも見頃だったので、とにかく500円程度渡して帰ってもらった。
...

勤労青少年会館を中心に配置して
日輪の揺らぎを平筆で描くやうに
脳病院ガ女子高ガ職安ガ珠算塾ガ
特殊浴場ガ交番ガ養老院ガ農協ガ
駅宿舎ガ電子オルガンの有る家ガ
禅寺ガ西東映ガ表札の無い長屋ガ
其の他業種身分階級互いに牽制シ
建ちならぶ!

其レら総ての便槽から、
其レら総ての便槽から、、
其レら総ての便槽から、、、
便所煙突ガ空に向かつて
立ちあがる!

其の先端に装着されてる樹脂風車ガ
朝東風を受けて廻転することに因り
臭氣を空にマジヱマジヱする仕組み
黄の三角旗掲げるのは汲み取り合図
美少女もルンペンも帰化人も神父も
労務者も同性愛者も役人も金貸しも
風俗嬢も民生委員も漁師も老夫婦も
糞のやうな奴等も糞のやうな奴等も
わたしもわたしもわたしもわたしも
開いて拡げてみりや汚ねえもんだし

ほれみい、ほれみい、
便所煙突くるくる廻る!
...

僕は、詩の世界の人間とあまり交流がない。他の方の活動には、基本的に興味がないのである。自分は自分で、好きなものを好きなように書いていたいだけである。なので、たまたま場を同じにする機会があった方とだけの関わりはあるが、それ以外の相手との関係はほぼ持っていない。
そうした訳で、昨夏逝去されたchoriさんとの接点も、ほとんど無かった。

囀る君は既に鳥だ
空の青に溶け
森の緑を解く君は
既に鳥だ
なおも鳥になりたいと願う君は
何を求めているのか

風の伴奏か
木々の喝采か
冴えた月明かりに
瞼を伏せて
宇宙の語りに聴き入る翼
羽ばたく君は既に鳥だ

君よ
天の琴線となる一筋の銀であれ
琴に触れる私は既に詩だ
なおも詩になりたいと願う

君よ
天の琴線となる一筋の銀であれ
そして私は震える魂になる

吟じるあなたは既に詩人だ
人の波に溶け
街の青を解くあなたは既に詩人だ
なおも詩人になりたいと願うあなたは
何を追っているのか

ネオンの声援か
雑踏の拍手か
冷えた無関心に
口を結んで ...

手を伸ばそうとすると斬りつける
スラッシュ
斜めになって滑り落ちる
滑り落ちた断層はそのまま

建物や森は引きちぎれる

どうして
嘆くひとの声
どうしようもない
滲む雨の遅れ

なかなか登れず溜まりに溜まって沼になる


スラッシュ
大陸ごと分断する






僕しかいない部屋で色々考えた。
僕と君
しわくちゃになっても闘って、
ノイローゼになりながら闘って、
僕と君
一体何の景色を見ていたのだろう。
冷めた笑い、
冷めた笑いに対する大きな声、
大きな声に対する冷めた笑い。
どうしたら良いんだろうね、
もうわかんなくなっちゃった。
僕と君
一体何の夢を見ていたのだろう。
君の健康は 僕の平穏は
争うたびに失われ、
そりゃ、今年の夏が過ごしづらくなるわけだよ。

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