アナーキーで無謀でアナクロで無政府で、萩原恭次郎的時代錯誤的、と見せておいて、その実、冷静に知的に作っているのだろう。まずは、文字の書体だけでも数種類。一般的な明朝体(またはそれに近い書体)、ゴシック体の太い黒々とした書体と、ゴシック体の細めの書体、その上、凝っているのが戦前の活版印刷に似た滲み文字。この他種類の文字たちだけでも、この詩集をどこへ運ぼうとしているのか、予測不可能な感じだ。
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ようこそ現代ポエムの世界へ( ・෴・)
私誌東京
抒情詩の惑星
専門家や愛好家ではなく、すぐ隣にいる誰かに通じる詩
ことばと人間復興ー

挿絵:ぴき
「高円寺の夜」湯原昌泰
三階で
煙草など吸いながら
コーラなど飲みながら
今年の夏は暑い
俺たちを殺しにきていると
ふと話題は蓮の話になり
蓮の花は開く時バサっと音をたてる
音とはつまり言葉だろう
言葉を話す花なんて蓮くらいだ
など話し
茨城のそれも県南
日本一の蓮の産地に生まれながら
その音を聞いた憶えがない
いや、気にかけていなかったのか
あまりにもありふれて
恋人の言葉のように
家族との会話のように
僕は無意識だった
ならぬものはならぬのだ
「向日葵」 馬野ミキ
向日葵を認めてしまうと
きみが壊れてしまうのなら
向日葵を認めなくていい
「トマトと鰻」 馬野ミキ
鳥取の母からトマトが届いた
町営住宅の庭で母が作ったトマト
一年かけて
もう少しでトマトが出来るよ
送るね
楽しみだね
と母から度々LINEがくる
母は全部
送ってくる
トマトできたよほらミキ
トマトお食べと
クロネコヤマトの冷蔵便でくる
山盛りのトマトと
砂丘らっきょうと
たけのこご飯と
ジップロックに入ったなぞの山菜みたいなものと
あと、サプライズで
鰻が入っていた
十万に満たない母の年金から奮発したのだろう
ーーー中国産 1280円ーーー
母から、
ミキ 鰻たべたか?
おいしいか?
これで暑さを乗り越えてスタミナをつけてネ!
ゆっくり味わって食べてね
と、この一年でおぼえた顔文字のスタンプと共に
LINEのメッセージが送られてくる
午前三時、
俺はまだ鰻を食べていない。
「『もり』と名乗る詩人の考察」ヒラノ
これ、いつだったんだろう?その後、地獄のカラオケ大会が待っていたんだけど…
「4月29日」ヒラノ
「まったく!金ねーし!」
休みだ、というかどこにも所属していない透明な無職だ
まぁ、一悶着あったわけだが
それはいい
一つ言っておくよ橘くん?俺が辞めた後、君はクビになったよね?ウケるよw
令和6年4月29日、俺は悩んでいた
遊び行きたいな!タジマ君のパーティーがある
ゴウちゃんも来るだろうし久々に会いたい
「えっ?」
布団の上で金勘定をしてたあぐらをかいていた俺が天井を見上げた瞬間、木目のその天井に稲光が走った、本当に稲光
1秒も無いよ?ビリビリビリ!と左から青い光が走った、走り抜けて行った
「なにこれ?」「わ、怖っ!」
何だよこれ?今までに無い経験で身震いした
その稲光はそれ以来、現れていない、今の今も
何かの厄払いでは無いが、ハっ!とした
「今日は行こう!」
夕暮れ、地下鉄日比谷線に乗り入谷から中目黒まで向かう40分...
「犬を食べる」荒木田慧
現代をいきる進んだにんげんは
一般的に鶏や豚や牛の肉を食べます
ときどき馬や熊や猪や鹿なども食べます
でもあんまり犬は食べないみたいです
「endlessで海老を食い続ける女」 西村太一
コンビニやら深夜業務がある会社では、草木も眠る丑三つ時に、韓国料理店へ行き、いろいろ大物を召し上がりますね。普段テープレコーダーで抜けている箇所を、流しちゃあ片方で別に超音波を録音する。活気作りや事実の証明の為かな。夜な夜な皆さんが眠っている間に、プリンパフェを2つも3つも買って食べる人もいる。プリン体を身体が欲していらっしゃるのかな。動画を見ていたら、自動で海老を上品に貪っている女性が見られるように編集してあって、まるでendlessで食べているのを見られるようにしてあった。プリン体を毎日そう摂っていたら、通風になるのは必定だ。他にも健康食を食べているのを見たりする。男がドアップで食べているのは、10秒と見ないな。女性は肝臓が強いんですね。
わが地名論」連載にあたって
詩の中に地名を書くこと。その意味を探ること。これは僕自身の詩集に関わりながら展開する「わが地名論」。この連載を通して〈地名とは何か〉〈詩とは何か〉を考えてゆく。
「現代詩が滅びるとき」 POGE
ランナウェイ淘汰(runaway sexual selection)とは、生物の性選択(sexual selection)の一形態で、ある性的特徴が、「異性に選択される」という理由だけでどんどん極端に進化し、生存に不利でも残っていく現象のことだ。
二十歳の頃、住んでいた家に屋根裏部屋があった。天井に格納されている梯子を下ろして上がると、座ってなら作業できる程度の、本来はおそらく物置として利用する想定で作られたスペースがあった。その頃はまだ詩を書くには至っておらず、行きたかった美大にもいけなかったわたしは写真を撮っていて、そこを暗室として使っていた。夏はとにかく暑くて、いつも薬剤の匂いがこもっていた。
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