ようこそ現代ポエムの世界へ( ・෴・)

私誌東京
抒情詩の惑星 


専門家や愛好家ではなく、すぐ隣にいる誰かに通じる詩
ことばと人間復興ー


アリは以前、軍隊に所属していた。
陸軍だったアリは海軍に憧れていた。海を旅してきた者たちの話をいつも真剣に聞いていた。アリはいつか除隊して、世界を旅して回ることを夢見ていた。
アリは軍隊に馴染めなかった。集団生活はそれなりにこなす事はできた。仲間たちとの共同作業も率先して行った。老衰したトノサマバッタを運ぶ任務の指揮官を任されたこともあった。だが時折、無謀な戦闘も行われていた。長期に渡る終わりの見えない戦い。スズメバチの巣を襲い、何百匹もの繭を略奪する作戦には二度と加わりたくなかった。
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Crossing Lines というインターナショナル・ポイエーシス・ウェブサイトで紹介されているサウンドポエトリーについて、レビューします。このサイトは、英語と日本語、視覚詩(ヴィジュアルポエトリー)や音声詩(サウンドポエトリー)、写真やアート作品など、詩のいろいろなスタイルが実験されています。そしてサウンドポエトリーは文学と音楽を橋渡しするもので、言語の意味や構文よりは音そのものを楽しみます。目や耳に直接訴えかける感覚を大事にする視覚詩と音声詩は、言葉の意味を越境する仕掛けです。
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「詩人が書けば詩」の僕と「詩を書かなくては詩人になれない」人々との間には、ばーっと広がる11次元の宇宙があったので報告書を書くことにしました。...

還暦少年と
60歳の誕生日のイベントにタイトルを付けたが
少年というか子どもだと思う
子ども扱いに甘んじている
古くなった家の修繕を今年したが
俺に一切相談はなかった
両親が勝手にしている
まあ金を出すのも両親だが
家の呼び鈴が押されて誰もいなかったから
玄関から外に出たら
外にいた父親に
外に出るなと一喝された
外で人に見られると何を言われるかわからないと
平日の昼間だから
透明人間にならないといけない
母親がやっている草むしりも手伝いできない
息子は基本外に出ないほうが都合がいいようだ
家のすべてを両親がやっている
俺の出る幕はない
意見も求められない
甥っ子に何も渡したことがない
誕生日のプレゼントとか
班になっている家の集団でやる草刈りも
高齢の両親のどちらかが行っていた
俺が行くという発想はないようだ
...

今日は4:00に起き
自分が住んでいるわけではない街のゴミ収集バイト
いわゆる仕事はじめ
まあこの人生を仕事だと捉えれば
俺の仕事始めは
1989年の8月21日で
この日から一日も休んでいない
だからどーしたーーー

究極Q太郎さんの詩についてこういう感想はなさそうなので、わたしだけの感覚かもしれませんが、究極さんの詩を読みながら、わたしは理由のはっきりしないもどかしさを感じてきました。この感覚があることで、さらに詩に世界に惹きつけられる。そういう種類のものです。
これはなんだろうと、かねてから首を傾げていたのですが、この感想文を書くにあたって、改めて考えてみることにしました。
そして思い当たったのが、稲垣足穂がつまらない小説を批評するのに使っていたという「懐かしいものがなにもないじゃないか」という言葉です。(これは関西弁で言われていたようですが、インチキ関西弁にならないように東京の言葉で書きました)
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大人になれば
バブルの頃に流行った
Maxmaraの100万超えの
ギンギンのテディコートを
自分の給料で
普通に買えるようになると思っていた

けれどもそんな未来は訪れず
郊外に等間隔に並ぶ
ハードオフやセカストで
好きなブランドの新品タグ付きの
ワンピースを見つけては
喜んで着ている
靴は大体木更津アウトレット
好きな服の系統も価格帯も
一生LUMINEで止まっている

節約している専業主婦の友達も
子供にお金がかかるから
自分の服はメルカリで買うと言っていた

幸せの形が変わったといえばそうだろう
だけど何となく寂しい


頬にうける心地よい風が、アリの思い出を呼び覚ます。懐かしく優しい記憶への旅。あの頃の時間の流れと、今の時間の流れが、同一線上にあるとは思えない。

白いシャツがよく似合うので
正義の白T少女と呼んだりした
きみはわらっていた
ぴんくの人喰い熊の血飛沫Tシャツも
ひがん花の絵を私が描いたTシャツも
白を選んだ
きみは

露骨なほどに裸にされた深い谷間を見上げるアリは、逆さまの体勢のまま、期待と不安の狭間をくぐり抜けていく。
陽射しは午後になっても衰えることはなく、烈しい炎のむちを足元に打ちつける。アリはかろうじて火の粉をかわし、ロープに敷かれた一本道、アリの子一匹通れるほどの隙間を歩いていく。それは陰影の最も濃い部分、無重力の虹の橋。
遠くで呼笛が鳴り響く。鋭いくちばしをもつ瑠璃色の怪鳥が喉を震わせる。
「この限りある我が歌声を、無駄に終わらせたりはしない」
危ういほどに澄んだ目をした恋人は、鳴き方さえも思い出せないまま、湖の対岸へと旅立っていく。その恋人を想うかのように、瑠璃色の怪鳥は喉を震わせてアリアを歌う。
...

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