「いつか二人でパリに住もうよ」 荒木田慧
いつか二人でパリに住もうよ
隣同士のべつべつの部屋で
あなたが部屋で芸術する午後
私はひとり街で詩をする
広場とハトと石畳と緑と
ようこそ現代ポエムの世界へ( ・෴・)
私誌東京
抒情詩の惑星
専門家や愛好家ではなく、すぐ隣にいる誰かに通じる詩
ことばと人間復興ー
挿絵:ぴき
いつか二人でパリに住もうよ
隣同士のべつべつの部屋で
あなたが部屋で芸術する午後
私はひとり街で詩をする
広場とハトと石畳と緑と
「わが地名論」連載にあたって
詩の中に地名を書くこと。その意味を探ること。これは僕自身の詩集に関わりながら展開する「わが地名論」。この連載を通して〈地名とは何か〉〈詩とは何か〉を考えてゆく。
PART 4 海の時代へと
一 半島から(1)
鼠の群ではなく
一匹いっぴきが名前を持ち
行き場を失くして走っている
どこでなら自分が生き延びられるか
ただそれだけを考えて
にんげんが居場所を奪われている
にんげんが居場所を失っている
安心していられる場所
心を寄せられる人の姿を
誰もが見失っていく
半島に足音が響き渡る
半島に鳴き声が響き渡る
鼠がいま 人間になろうとしている
鼠はいま 海へ向かおうとしている
二〇一八年 八月 十九日
二 祭
「祭を始めるんだ」と誰かが言い出した
「祭を始めるんだ」 誰かがそう思い込んだ...
美しい言葉を複雑に入り組んだ隠喩に絡めて端正に綴る。
言葉と言葉の繋がりを日常語の意味の縛りから解放し、新たに開かれたイメージへと転化する。
シュールレアリスム、ダダイズム、フォルマリズム、かつての形式や思想を受け継ぎさらに先へと進化させる。
蝸牛や蛞蝓が列を為す
雨のメロディー
誰も住まなくなった一軒家
冷たい風呂場にお祭り囃子の調子で
雀もカラスもお部屋にしちゃっている
挙句の果てに犬までVIP
うすのろばかまぬけ
うすのろばかまぬけ
繰り返し小雨をジグザグに伝ってきこえてくる
わけないか
それにしても陽気な極楽だな
あっちの蛞蝓がうちの風呂場にいきなり出るから、あれって誰でもそうな気がするけど、びっくりして、シャンプーかけたりポットのお湯をかけたりして、完全なる殺意で排水口へ落とす。
?野間文学賞?
ノミネート?
あ、これね、
ビョーキビョーキ
勘違い。
何か生産性のあることをすれば良いのに。
ダメです。そんなつまらない事を身体を壊してまでやるのは。
石の上にも3年
イスノウエニモ3年。
バカをおだててはいけません。
それではさよなら。
アナーキーで無謀でアナクロで無政府で、萩原恭次郎的時代錯誤的、と見せておいて、その実、冷静に知的に作っているのだろう。まずは、文字の書体だけでも数種類。一般的な明朝体(またはそれに近い書体)、ゴシック体の太い黒々とした書体と、ゴシック体の細めの書体、その上、凝っているのが戦前の活版印刷に似た滲み文字。この他種類の文字たちだけでも、この詩集をどこへ運ぼうとしているのか、予測不可能な感じだ。
...
三階で
煙草など吸いながら
コーラなど飲みながら
今年の夏は暑い
俺たちを殺しにきていると
ふと話題は蓮の話になり
蓮の花は開く時バサっと音をたてる
音とはつまり言葉だろう
言葉を話す花なんて蓮くらいだ
など話し
茨城のそれも県南
日本一の蓮の産地に生まれながら
その音を聞いた憶えがない
いや、気にかけていなかったのか
あまりにもありふれて
恋人の言葉のように
家族との会話のように
僕は無意識だった
ならぬものはならぬのだ
向日葵を認めてしまうと
きみが壊れてしまうのなら
向日葵を認めなくていい
鳥取の母からトマトが届いた
町営住宅の庭で母が作ったトマト
一年かけて
もう少しでトマトが出来るよ
送るね
楽しみだね
と母から度々LINEがくる
母は全部
送ってくる
トマトできたよほらミキ
トマトお食べと
クロネコヤマトの冷蔵便でくる
山盛りのトマトと
砂丘らっきょうと
たけのこご飯と
ジップロックに入ったなぞの山菜みたいなものと
あと、サプライズで
鰻が入っていた
十万に満たない母の年金から奮発したのだろう
ーーー中国産 1280円ーーー
母から、
ミキ 鰻たべたか?
おいしいか?
これで暑さを乗り越えてスタミナをつけてネ!
ゆっくり味わって食べてね
と、この一年でおぼえた顔文字のスタンプと共に
LINEのメッセージが送られてくる
午前三時、
俺はまだ鰻を食べていない。
これ、いつだったんだろう?その後、地獄のカラオケ大会が待っていたんだけど…
「まったく!金ねーし!」
休みだ、というかどこにも所属していない透明な無職だ
まぁ、一悶着あったわけだが
それはいい
一つ言っておくよ橘くん?俺が辞めた後、君はクビになったよね?ウケるよw
令和6年4月29日、俺は悩んでいた
遊び行きたいな!タジマ君のパーティーがある
ゴウちゃんも来るだろうし久々に会いたい
「えっ?」
布団の上で金勘定をしてたあぐらをかいていた俺が天井を見上げた瞬間、木目のその天井に稲光が走った、本当に稲光
1秒も無いよ?ビリビリビリ!と左から青い光が走った、走り抜けて行った
「なにこれ?」「わ、怖っ!」
何だよこれ?今までに無い経験で身震いした
その稲光はそれ以来、現れていない、今の今も
何かの厄払いでは無いが、ハっ!とした
「今日は行こう!」
夕暮れ、地下鉄日比谷線に乗り入谷から中目黒まで向かう40分...
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