「詩人が書けば詩になる」三浦果実
「詩人が書けば詩」の僕と「詩を書かなくては詩人になれない」人々との間には、ばーっと広がる11次元の宇宙があったので報告書を書くことにしました。 詩を書かなくては詩人になれない人が憧れている詩人には、なれない僕です。なぜなら漢字の読み方がちがうから。「しらみの魚」と言っていたら「それはしろみの魚だ」と詩を書かなくては詩人になれない人が教えてくれ、「はもう」と言っていたら「それはうもうと読むんだ」とまたべつの詩を書かなくては詩人になれない人が教えてくれました。そんな僕がある日、詩人たちのまとめ役を引き受けることになりました。シリウス星人の僕は暇で、詩を書かないと詩人になれない地球人は多忙なんです。「詩を書いています」「詩を書きました」「書いた詩はこちらです。読んでください」「入賞歴取得」「同人誌のお付き合い」「SNSでの情報拡散」と大変です。大変ですね、では僕がまとめ役をやりましょう。
ところがところが、僕が書いたものをみせたり僕の話をきいてもらったら、君のそれは詩じゃない、だから君は詩人じゃないと言われました。逆に、「みなさんは詩人ですか?」と問いました。みなさんは沈黙されました。「詩人ですか?」という問いはまずかったのです。その問いは罪人として地球という牢獄に閉じ込められていることを思い出させてしまったようです。
まとめ役が務まらないようではダメだな、配慮を頑張ってやりなさいと注意されました。すぐに配慮を頑張り出しました。ある日、「詩人が書けば詩」の友だちが僕に言いました。「配慮は政治家がやるものだからそれを続けていると詩人でいられなくなってしまうんだよ」と心配してくれたんです。僕は詩人なんてどうでもよくて、配慮を続けることにしました。でも、どうやら僕の配慮は政治家みたいには上手くやれていなかったみたいで、地球における配慮を上手くやれない政治家が殺されるように、、、いや、僕の場合はそこまでの迫害ではなくて、詩を書かなくては詩人になれない人たちの多くが、無視をするようになりました。無視をする詩を書かなくては詩人になれない人たちは僕にきつく注意する人をみつけたら、「その注意いいね❤︎」っていいね!を無言でつけるのが好きなようでした。
やっと気がついたんです。「詩人が書けば詩になる人」と「詩を書かなくては詩人になれない人」の間には11次元の暗闇がばーって広がっていて、殺される前に逃げ出しました。戻らなきゃって、抒情詩の惑星に帰ってきました。今日は1月11日です。