「なんでもいけます!」吉田一縷
2021年10月26日
「なんでもいけます!」
素直になっちゃう自分が居て、かと云ってブラジャーの金具を噛むことはやめられない。
たとえの話である。
熱を
測ってみる。
平熱である。
生きているのである。
今日は寒かった、今年の今日は寒かった。
寝に逃げている最中の私は気怠く起きて、弁当に残り物を詰め、バナナとヨーグルトを食った。
寒い寒いと云いながら風呂場へ行き、人肌恋しい身体をお湯と云うプラトニックな友だちがやさしく包むなか、腋毛を剃った。仕事場へ向かう道すがら、履いているレインシューズの具合が悪い。
靴ベロが折れているのか気持ちが悪い。
ヘリコプターの音がやけに聞こえる天気のなか、好きな人のことを考えているうちに日は暮れ、同僚がバスを三本逃してまでも言葉にしてくれた思いやりを半分あったかく残りはなんとなく聞き流し、人身事故で遅延した各駅停車で帰路に着く。
見慣れた重いドアを開き、靴を脱ぐと靴下のなかからどんぐりが出てきた。
はては、これが原因だったのかと小さく頷く。
ベランダの植物に水をやり、こたつに潜り菓子を食う。
今日は寒かった。今年の今日は寒かった。
つまりはである。
私のなかのどんぐりは何であるのか。
数日前、生きることをやめようかと口走った私にあの女が云った言葉は自業自得だと云うこと。
山崎ハコの声が聴こえる。
掃除機が詰まるように私も詰まるのだ。
それは何故か、吸い込んでばかりいるからである。
吐けよ、と人は云うだろう。そうだ、吐けばいいのだ。
しかし、何処に。
明日はまた来ます。たぶん、おそらく。
お天気かな。
こんな時間です。それでは、また。
追伸、
なんでもいけます!