「ひとり」モリマサ公
2022年11月11日
砂を
噛むような孤独が押し寄せる
午後四時半
水道水を公園までチャリでいって飲む事に意義がある
そういってチャリで父は多額の借金とともに消えた
家は雨戸をしめたまま
もっていけないものでごったがえした
なつかしいなあ
あの頃にメガマックはなかったけど
取り戻そうとする絆みたいな期待感は子供たちやそれぞれの大人たちの
勝手なベクトルで存在していたのだった
だがどうだ
網戸はやぶけたままで
庭木はぼうぼうに二階まで背をのばしてる
うえきばちはひからびて倒れ
金魚はねこにやられてしまった
お葬式の費用はガソリン代とたったの一時間
川に流してみる
潮の満ち引きの深い荒川の高架下でJRがとおるたびに
絡まった糸のような水面が反射する
ばいばーい
ばいばーい