「グレイト〜みうらとリリーに勝手に捧ぐ〜」大井悠平

2025年04月30日
クールに去るっつーより、

騒がしく去りたい。
「かの偉大なる人は」と弔われるっつーより、
「あいつ馬鹿だったよなぁ」と見送られたい。

まだ会ってない人
まだまだたくさんいて、
まだ訪れてない土地
まだまだたくさんあって、
それでもグッドバイ
そしてグッドデイ
さよならには持って来いの一日。
そんな日が人生たまにはあるらしい。

ていうか、オレ本当に死ぬのだろうか?
だったら天国に昇るのだろうか、
だったら地獄に落ちるのだろうか、
だったら生まれ変わるのだろうか。
ていうか、つまりは、オレ、死ぬっつー事じゃないですか。

死ぬっつー事じゃないですか、と
死ぬっつー事を語るオレは
死ぬっつー事をきっとまだ分っちゃいない。
天国も地獄も生まれ変わりも分っちゃいない。
ただ、去り際の後ろ姿の寂しさは今日よく分ったよ。

グレイト、グレイト、

グレイトですよ、こいつは。
天国みたいに人生、
その先は
どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか。
葬式は忙しいっつーじゃないですか。
地獄は不況より怖いっつーじゃないですか。
やっぱ分っちゃいないんだ。
てんで分っちゃいないんだ。
ただ、去り際の後ろ姿の寂しさは今日よく分ったよ。






大井悠平