「下手くそな詩」 POGE
2025年04月27日
きみに伝える
言葉がなくて
私は詩を書く
私はうまくしゃべれない
いつもズレたことばかり言う
きみに話が通じない
フランス現代思想とか
修辞技法とか
そんなことばかり
頭に詰まっている
きみと話すとき
言葉がいつもつっかえる
口からうまく出てこない
電話越しに
きみの声を聞く
きみの姿を
思い浮かべながら
顔は見えないけど
声の震えで
気持ちはわかる
きみを口説いた男が
本当に最低な奴で
きみが怒っていること
Switch2の
予約の抽選に落ちたこと
どんなことでも
聞いてあげる
伝えようとする思いは
無限に浮かんでくる
どれだけきみが好きなのか
どれだけきみに会いたいか
格好良くできない
流ちょうにしゃべれない
そもそもそんなに
器用じゃない
それでもきみに伝えたくて
ぶつ切りの言葉を並べて
きみの名を呼んで
不格好でもきみに贈る
下手くそな詩を