「俗世間」恭仁涼子
2022年07月30日
流動する
突然その場所から
弾かれることがない。
それが旅の醍醐味。
道連れは大事。
人に限らず。
無人駅であてどなく電車を
待ちながら
図書館で借りた『暗夜行路』を
熟読したことを覚えている。
桜の花びらも流動します
その結果葉桜になり
花びらは木から弾かれます。
葬儀だ、葬儀だ!
近所に「儀式殿」と掲げる建物がある
友達が「何するところなんだろ!」と
わくわくしていたけれど
それはただの葬儀屋さん。
通りがかりにわざわざ振り返り
看板を見てしまう
最近、俗世を去った、名前は何か。
旅の話に戻します
と言いたいところですが
そろそろお開きにいたします。
もう十分でしょう。
今日の戯れは、会話は。
こうしていると
友達といるようです。
私のことをよく知っている友達が
私の指を使い
とりとめのないことを書いている。
葬儀だ、葬儀だ!
で、旅人は、いつ死んだのよ?
ドーナツでも投げつけてやってくれ。