「労働歌謡」9オビ・イルテッシュ

2022年10月08日

生産工場の労働者
日々をこなしこなされる露呈

①「指を何本」

指を何本切ればいい

三つ指を斬ったらいろんなことから逃げられる

全部落とせばマイノリティ

どの辺りから切ればいい

ゴム被せてるあたりから斬って露出する

生指がいい

((新しい手袋に名前なんて要らないから、切り落とした家族の
落ちた奈落にありがとう))

②「電動感度」

電動ドリルはめるハーネスLED
さあカス、

ゆらり ゆらり

デュルルルルガガガ
空回りするドリルの空中ブランコ

小さなネジを掴む人差し指と親指
中指で配線を押さえて薬指でテープを貼る

ゆらり ゆらり

小さな夢を掴む人

③「安い給料」

バンジージャンパー・リトル
引き金を引いたら最後
三つ指ついて泣いても
もとには戻らない

さりげなく手ぇ触ってんじゃねぇ!このクソが

ヘッジ・ホッグ・ホッパー
連れ戻したりしないよ
スキル・アップだ
新しい自分に出会えたかい?

④「小春日和の祭典」

おっちゃんは、遠くの派遣会社から来て働いていた
仕事が覚えられへんから
一つの仕事を約2年続けた
気性が荒くなる日が幾日かあって
それを宥めることもあった
ある日、「給料が安すぎる」という理由で
父親と口論になり、父親の首を絞め
警察沙汰になって、仕事を辞めた

「いつも本読んでるから、やるわ。」

おっちゃんがくれた図書カードどこいったやろ