「展望」大井悠平

2025年05月19日

少し曇った朝だった。
間も無く晴れ渡るであろう空模様。
天気予報はつつがなく、
未来の展望を明らかにする。

少しだけ、愚かしいことをしてみたい、
そんな朝でもあったのだ。
時の流れで忘れてしまう、
そんな程度の愚かなことを。

ゆめゆめ思うな、その愚かさを
自分が永遠に持ち続ける、と。
皆したり顔で賢くなった。

皆当たり前のように賢くなった。
間も無く晴れ渡る空の下で、
展望豊かな未来の前で。





大井悠平