標高3000M標高3千でも聴こえるラジオラジオ人生相談転職 浮気 借金苦 それら下界の生暖かな不安にまるで耳を貸さず稜線を渡る風の 乾いた冷たさ 山頂から見るその景色の捨て方は あまりに見事でどちらを向いて見てもどちらかがもったいない いっそ目を閉じ そこを山頂とするそして ついに人の登ることがない残りの高さを思う 人が生きることの驚くほどの安さとその喜びを少しずつ取り戻しながら
中川ヒロシ