「恋愛の不自由からの解放」TASKE

2022年06月18日

小6の頃、一目惚れした
同じクラスの隣の席だった女の子
愛知県からの転校生
中卒まで告白し続けるも
あの子には届かなかった

数年後の残暑、今度こそ振り向いて欲しくて
下北沢のマクドナルドで手紙を書いてた
どんな言葉を書いたら
あの子の心は動いてくれるのか?
なかなか考えが纏まらず
気が付けば、生まれて初めて
終電を乗り過ごしてしまった
深夜、ヤケクソで歌った言葉にならぬ想い
結局、最後まであの子には届かなかった...

恋愛の不自由

どんなに幾億の星が夜空に散りばめられても
運命の星座を探し出す事は出来なかった

数時間だけの関係、一瞬の快楽も
次に繋がらなければ意味がない
60分でも30分でもなく
時間無制限一本勝負の恋がしたい
この世に永遠の愛があるならば
三本勝負でも何本でも構わない

そんな旅路の途中で巡り逢えた性の目覚め

深夜、京都の木屋町通りの
公衆トイレ前でキーボード弾き語り
ストリートライブしてた時
来てくれた夜遊び中の女の子2人組

途中で1人は
近くのクラブへ
戻ってった

俺は残ってくれた彼女の為に歌った
色々と語り合い、口説いた
彼女は俺でもいいと言ってくれたけど
他に好きな男がいた
でもまだ告白出来てない
勇気がないのだと

俺は「先ずその人に告白してみなよ」と
アドバイスしてあげた
そして住所交換、握手して別れた

鴨川に
群れなす鴨が
泳いでる
真の居場所を
探し求めて...

数日後、家に彼女から手紙が届いた
あの日の翌日、彼女はその男に胸の内を告白
想いを告げた瞬間
涙が止まらなくなったと

それまで
行き摩りでしか
付き合った事が
なかった彼女に
俺はめっちゃ
感謝された
思わず胸が熱くなった
気が付けば
いい人になってた

そんな俺もそれまでは
夢を見るように流されっぱなしだった

あの日こそ、初めて
性に目覚めた瞬間だったと思う
絡みはなかったけど
本当の恋愛を身近に感じた
プラトニックな一夜
恋愛の不自由から解放された日
遠目に眺めた鴨川は
暖かな陽射しに包まれてた








TASKE