「恋愛映画」chori
2022年06月06日
映画をみているあいだは
ずっと、たべもののことを考えていた
池下さんの髪のにおいを「シャンプー」としか判じえない時代
くらい、スラックス越しの組まれた脚
クライマックスはちっとも頭へ入ってきやしない
エンドロールの暗闇のなか ぼくらだらしなく幾千度と踊る
映画をみているあいだ
すっかり、
おなかはすいてしまったよ
名台詞のまにまに
なにか挟んであげたかったのに
バターもジャムも、クリームでさえ、ここには残されていない
字幕をひらくとありきたりなリアクション
あなたのしたの名前が「かおり」ならよかった