「時短 〜春のわが歌十二首 〜」 高田拓実
2025年04月03日
完璧な一本糞が出た時に僕はお尻を拭かないで出た
昼時の即席麺の真ん中に卵落とせば左に寄りぬ
ロールアップのジーンズのつくる谷のぞく君の忘れた思ひ出のあり
脳性麻痺の友達がYouTubeにてサザンの曲を熱唱したり
何日も着てゐた服とズボンでも時短でポチと人生洗ふ
マンションの冷たき床に CoCo壱のカレー置かれしままぞ寂しき

不法投棄にされたマスクに言葉など残つてをらず水たまりに死す
透明なビニール袋が空を舞ふ風もなるほど 流行のある
生やかな舌がいろいろ散つてゐた/春とはいつも猟奇的なれ
幾つもの椿の首は落ちてゐて裁かれて尚罪ぞ美はしき
ビラ散れり甲州街道歩道沿ひ桜花となれる色めき持ちて
イヤホンし真夜を歩きて熱唱す君のうん痴はダダ漏れであり
