「温プウ」あさとよしや

2022年02月25日

つうきコウから温プウが
温プウがでてくる
つうきコウから温プウが
ひきだしにしまってあった
タテブエをさがしにでてくる
きっとそうだ さがしにきたのだ
ひきだしにしまってあるタテブエを 
きっと温プウはさがしにきた
タテブエをならしたいのだろう
なまあたたかくてもかぜはかぜ

とおもったのだが
どうしたことか 温プウは
だいどころのかべにかけてあった
かれんだーをめくりだした
いったいなにをかくにんしているのだろう
わたしのよていをみて どうするのだろう
温プウにきいてみなけりゃわからない
かといってこたえてくれるわけもなく
温プウは はなをならして
ちいさくわらった カンにさわるやつだ

温プウはしばらく
いまにいする ざいすにすわる
ゆうがたのにゅーすばんぐみをながめている
温プウよ 
おまえはタテブエを
さがしにきたのではないのか
ひきだしにしまったあのタテブエを
おまえのなまあたたかいかぜで
ピュウッとふくために
つうきコウからでてきたわけではないのか
わたしは温プウに 問いかける

温プウはおもむろにたちあがる
お、わたしのいしがつうじたのだろうか
タテブエをさがしはじめるのだろうか
温プウはほんだなのまえにたち
まんがをいっさつとりだしてよみはじめた
そしてときどきわらっていた







あさとよしや