「猫舌くんの後始末」ヒラノ

2025年05月06日
これは東京拘置所で執筆しています


俺は方向音痴なうえに猫舌だ
ラーメンをすする事が出来ない

美味いラーメン屋?有名なラーメン屋?

興味無い、食べられないのだから、あと道に迷ったうえに店に到着出来ない

熱いから、無理なのよ

猫以下の猫舌だから

「あそこは列んでも食べた方が良いよ!」

だから食えねぇんだから列ぶ必要ねぇだろ、俺は猫舌なんだ!ふざけんな!熱いんだバカ
あと、そこどこ?

俺だって皆みたいにラーメンすすりたいよ…

スープ飲みたいよ
そこ、ぬるいの?

猫舌とはいえ麺は好き

麺好き、大好き、麺は美味しい
でも冷やし中華は酸っぱいのでちょっと微妙だ

うちの母ちゃんに聴いてみたらいい、俺は焼きうどんが大好物だったが、今さら分析したのだが適度に冷めて食べられたのだろう、麺をかき込めるのであるもちろん美味しい、美味しいのだけど、これはおそらく熱々の汁が無いから、という事だった事が好物になった原因を否めない

後はにしんとナスの煮浸しとかね(冷めてるから)
うま煮も、大好き
汁まで飲む
白飯の存在をほったらかし、ひたすら食い続ける
里芋?にんじん?大好物!(冷めていれば)

「あ、ラーメン食べたい…」

そうなれば、だからどうするかと言えば選択肢は二つ、油そばかつけ麺となる

熱いか?では無くぬるいかそれ以下ではないと食べれないからである

蕎麦?冷たいのに決まっている
だって、食べれないんだもん、冷えたかき揚げを噛じる

「美味ぇ!、食べれる!」

猫舌界隈はそんな思考に流れる
冷めているからね

違うの、食の本質からズレているのは理解している

「腹減った」ラーメン屋、ある、そこに

つけ麺とか油そばがあるか?これは死活問題なのである

だって入って食券買って食べれない、という理不尽っておかしいでしょ?
俺は飯屋で携帯をいじくり回すタイプでもない
食べたらすぐ出る
あと、飯屋で待つのはダサいとも思ってディズニーランドの待ち時間も様な飯屋をもてはやす風潮は馬鹿げていると感じる

とにかくぬるいか冷たくないと食べれないのである

牛丼?牛丼はギリ行ける、生玉子かけるから

ぬるい以下じゃないと熱いし味も何も分からないのである

麻婆豆腐はしばらくおいてから食べる
だって辛いか熱いか何も分からないから、口の中がパニックだからニャー!

ピザ?ちょっと待つ

熱々のとろけるチーズが食べたいくせに
そしてそのとろけたチーズが唇に貼り付く
そして俺は熱くて悶絶して泣く

猫舌は味をよく分かっていないのである

だから刺し身と冷めた白飯が好きなのである
生ハムで白飯も食う
信じられないだろうが味噌汁も豚汁もぬるくないと食べられない

夜、外出先で、ほろ酔い


ラーメン?
ラーメン、超食いてぇ!
こっちは腹ペコよ?「当店自慢!美味しいつけ麺!」の看板

なんですって?俺でも食べれるじゃん!

お酒に酔うとアルコール分解のために糖質が使われるためにラーメン等を人は欲するそうです

メニューも見ず、突入

発券機に勢いよく千円札を突っ込む

「俺でも食べられるっ!」

つけ麺、では無く味噌つけ麺のボタンを押す


店のオーナー?大将?が元気良く俺に話かけてきた

「お客さん、わかってるねぇ!」
「味噌つけ一丁!」
「何かサイトの書き込み見てくれてウチ来たの?」

「いや、あの、僕は猫舌でつけ麺とか油そばじゃないと食べれないんです…」

「はぁ?」

「え?」

「あんたさ、そんな理由でウチに来たの?」

「あ、はい…」

「ウチさ、そういうお客はお断りなんだよね!あんたさ、ウチなめてるの?」

「いや、あの、そうじゃなくって…」


「ウチの味、なめてるの?」

「美味しいそうだったからおじゃましたんですけど…」

「僕、なんか変な事しましたか?」

食券を渡してまだ1分も経っていない、何これ?初めての展開だ

ここで水が置かれる「ドンっ!」

「ウチの味、なめてるんだろ?ふざけてんだろ!」

「出て行け!」

そう言われて千円札がカウンターに叩きつけられた

展開が早すぎてよく理解出来ないも、オーナー?の物凄い剣幕に店を押し出されてしまった折り目の着いた千円札を握って

ガラガラガラ、俺は悔しさで半ベソになりながら店の戸を閉める

「グうぅぅ…」
麺屋「あんもないと」の前で一人唸る

今知ったわ、あんもないと?
あんもなってねーよ

あのさ、これって明確な差別だよね?猫舌だから差別されたんだよね?

テーマパークで安全のために身長制限がある、これはわかる
安全バー、就学前の小さい子、それは乗せられない
空港、パスポート、ビザ、これもわかる

でもさ、あのさ、猫舌だからって飲食店お断りってある?

帰り道、俺は歯ぎしりをしながら食べログに恐ろしいほどの罵詈雑言を書き込みまくった

「全国の猫舌は集まれ!あの店は差別主義者が経営している!」

そうしたら、どうなったかと言うと皆、猫舌だから熱いもの無理なの、結果、誰も行かないとなり俺だけ悪ノリしたままでした

「熱いんでしょ?ムリ」

「冷やしとろろ蕎麦でいいじゃん?」
「背伸びするからそうなるんだよ!」
これですよ、猫舌は

熱いのムリ、熱いのムリ、冷めてくれ、冷めてくれ

麺が伸びる?伸びるのヤダ、伸びるのヤダ

じゃあ冷やし中華?酸っぱいのそんなに好きじゃない、酸っぱいし

待て、我々猫舌は何処に行けば麺が食べられるのか?

家に帰り、道具を整理して下駄箱の上に置いてあったゴーグルを着け、ヘルメットを被り戦車に乗った

「麺を食わせろ!」
悲しいけどこれって戦争なのよね

焼肉屋、冷麺「冷麺は食べれる!」スルー

キャタピラがゴロゴロ鳴る
蕎麦屋「天ざる最高!」スルー

またキャタピラが

ラーメン?看板を見た瞬間、躊躇無く大砲を撃った
店は半壊だ

「なんで?なんで!」

「猫舌舐めた結果だろ!」
そう言って俺はコックピットからデッキに出て店主に拳銃を2発撃ち込んだ

もう猫舌は止まらない

「行くぞ!」そう叫んで戦車のコックピットに戻り進撃を続ける

目指すは「あんもないと」である

着いた!の勢いで大砲を3発浴びせた
煤けた店長がアスファルトを這いながら出て来る

「なんで?」

「なんでじゃねーだろ、猫舌を差別したからだろ!」
「あんた、さっきの?」
コックピットを出て好き放題、店前で拳銃を撃ちまくった

さっきのお釣りの150円を死体の右手に握らせた

熱々野郎は許さない

戦車を走らせる

つけ麺屋、素晴らしい!猫舌の食文化の屋台骨だ
油そば屋、よろしい、つゆが無いから食べれる
大将が満面の笑みで「ガンガン喰えぇ!」いや、違うの、これグルメツアーじゃないから


結局、近所の9軒のラーメン屋を破壊した後、俺は大家さんに敬礼をして家で眠りについた

「猫舌とはこういう事だ」

舐めるなよ、熱いから

俺って死刑かな?

お風呂、暑い、ラーメン、熱い、サウナ、もうすげぇ暑い、夏?夏とか最悪、もうすげぇ暑い

こういう文化辞めませんか?

「熱いお風呂入れる俺はカッコいい」とか
「暑いサウナに何分いた」
だとか、水風呂で整うってなんだよ?LEGOブロックで風呂でも作ってろ
死神くん?霧ヶ峰?暑いからだろバカ野郎つけろクーラー

これが多文化共生だろうが!

LGBTNだ、猫舌入れろ!

熱いの、ちゃんとフーフーしてるの、でも熱いのよ

これは避けようが無い
冬が寒い?服着ろよ、裸だから寒いんだろ
文明だよ文明!

でも、夏ってさぁ…

全部ぬるくしろ気象庁!
ブチ殺すぞ





ヒラノ