「空白の切れ目」カワノアキヒロ
2022年02月02日
手元にケータイがあるのに
遠くからバイブレーションが聞こえてきて
安易に
今日は昨日とは違う日だ
という当たり前のことを知って
ふと
今は冬なんだということを思い出して
縮こまった体を伸ばし
肩についたノイズを払って
空白の切れ目から
よいしょっ
と
一歩を踏み出す
それが
紛れもなく事実であったことに
私は驚き
それに対して胸を撫でおろした自分に
また驚いて
開けてしまったワインボトルを蹴とばして
「自由が欲しいです!」
と叫んだ
今は
午前4時半だ