「脳腫瘍闘病記」危機とララ
現在37歳。
私は一か月前、脳腫瘍の開頭手術をした。
10万人に一人といわれる、聴神経腫瘍だった。
脳の手術というと、星野源もくも膜下出血になり、辛すぎて今すぐに二階の窓からできるものなら飛び降りたかったとエッセイで語っている。
女医の西川史子先生も、「神様、もう許してください、」と泣きながら願ったと...。
私にとっても、人生で一番かな、きつい経験になった。
病気発覚から、手術、現在まで振り返ってみたいと思う。
三年前くらいから、健康診断の聴力検査で片耳がひっかかるようになった。
低い音が聞こえなかったり。
高い音が聞こえなかったりまちまち。
一度耳鼻科に行ってくださいと言われていたけれど、気にならなかったので放置していた。
そのうち高音の耳鳴りがするようになり、なにか耳の奥で何かが触れているような感覚があった。
さすがに気になり。
耳鼻科へ。
耳の詳しい聴力検査。
まれに聴神経腫瘍というものができている可能性があるからⅯRI撮ってとのこと。
急がないし、年1人でるかでないかだから、と。
それから慌ただしく半年以上が過ぎて、脳外科。
老人ばかりで激混み。
初めてのМRI。
終わって検査室を出るとき、技師さんが私をちらっと見たような気がした。
で、なぜか院長先生の外来に呼ばれる。
一人できたの?はい。
血管は問題ないけど、ここに...。
画像を見ると。はっきりと白いものが映っていた。
3センチくらい。
左聴神経腫瘍と呼ばれるもので、切除しなければならないこと、顔面神経と近いから麻痺が残るかもしれないこと、難しい手術だといわれる。
私は狼狽した。
死ななければいいです!麻痺になってもいいです!失明しなければいいです!と言った。
ショックだった。
こんなことってあるのか??
あまりにがっくり、ショックを受けた私を不憫に思ってくれたのか、先生は席を立って見送ってくれた。
つづく