「腐日記」クリスマス特集 アレクセイ渡辺
2021年12月23日
30年前、クリスマスと言えば、田舎の男子校時代の卑猥で幼稚なジョークを思い出す。あの頃、自分も嬉々として、そのジョークを言っていた。セクシャルハラスメントという言葉も知らなかった。そういったことは東京に来て覚えた。
恥ずかしい。なにが恥ずかしいかわからない程に恥ずかしい。いま、思えば。
稚拙な悪意さえなく、ただ、目立ちたかっただけ。罪の意識など、これっぽっちもない。
おのれの生まれを呪う。自分は盲たモグラだった。今もそうだが。
東京に来て文字通り、様々に啓蒙された。
ノックアウト。そして、ドロップアウト。
それで良かった。と思う。
働きたいと思い田舎に帰ってきた。実家の近くの病院に行ったら、働くのはまだ早いと言われた。それから作業所に行くようになった。そのあとで、何回か労働界に参加したが、どれもものにならなかった。
クリスマスのキラキラの中でどす黒い不幸と怨念を抱えるひとのきもちは少しだけ、わかるような気がする。