「限りなくグレーな空へ向かって」モリマサ公
2022年09月09日
俺たちが激しくアクセルを踏みすぎる頃
季節はまた新たにはじまった
すばやくパーキングにいれてキーを抜き取り
僕たちは
どうしようすきとかたぶん無理とかについて考えた
まったく平気ではない普段の日常を正しく間違える
好きな人のとなりで夏の終わりの自分を演じて
みんな今すぐ孤独をダウンロードしよう
小川テントの寝袋をぎゅうってしながら
カレンダーにまるして記憶するための
9月がすぐに
思い出せなくなっていく
さみしい男の子たちは孤独が恥ずかしいから
かみさまみたいに女の子を簡単に呼ぶ
ガソリンを撒き終わった家の絨毯みたく
そこはもうとりかえしがつかない
まるでなにも起こらなかったかのように
炎をみて黙ったりしていたい
とたのまれたのでそのようにした
曇っていたのとメイク道具を全部
なくしたのですっぴんで炭酸水を飲んだ
なるべく姿が消えたりしないように祈る
なつかしい胸いっぱいの
きれーなクロールが焼きついているまぶたの裏側
きりとって
しようよ新しい記憶の底を探って
空からは消えないぼつぼつの雨が落ちてきている