「霊媒師ハリソンの虚言」 馬野ミキ
第三者委員会に不正があったので
第四者委員会を設置したが
ぶっちゃけ、もう誰も分かっていなかった
無敵の人と無敵の人の最初の戦いがもうすぐ始まる
山から地元のスーパーに下りてきたクマも参戦して無敵の人を殴り殺すのだと
温室で培養された無敵の人より強いものは「野生」と「本能」だ
専門家会議も名刺に書いてある肩書も、本来確実に絶対に死ぬ人間にとって、中長期的なビジョンではあんま意味がねえと
台風と地震だって同時に来る
むしろ、何故こないと思うのか?
これらは銀河第五者委員会による「直観」なのだと霊媒師ハリソンは言うのだー
あくる日、夢にうなされて飛び起きたのだと
ハリスンは当時、ヤミスンにそう語ってる
そのことはシミスンの日誌に描かれていた
無論、睡眠中は時間が曲がるものだが
夜から夜明まで目一杯、ハリスンはその夢のなかで
人類が犯してきた、顕微鏡でなければみえないものから望遠鏡でなければ見えないような「悪」の隅々と広がりや-さなか-について、無理くり追体験させられたのだと
きつwwwww
そりゃ全身よろず八万八千の毛穴からいやな汗もヒルの赤子が一斉にうまれたみたいに
夢にうなされて飛び起きて天井まで
寝ている人間がニュートンが見つけた法則に反してJUMPして天井を破壊してアニメーションのねずみ一家の安眠を破壊する
あり得ないことってカメラが廻っていない時にだけ起きたりするのは
逆説的に科学の発展の余地なのだと、
「科学の発展は常に遅い」と渡り廊下でクラスメイトに煙たがられていたパラグアイの悪たれ、ロドリゲスの言葉を私は思い出す
とにもかくにもハリスンは、自分の身におこったこと
この夢は何を暗示しているのか
悪にタッチし
感じ
実践した
例えそれが夢のなかであっても
ハリスンはその日仕事を休んだ
ようやっとこさ面接に受かり本日初日の人工酸素に関する簡単なアルバイトであったのだけれど
この悪夢を処理したかった
脳にて情報処理したかった
明日からも私が生きていけるような 指針が欲しかった
私たちが犯してきたその「悪」のなかから
最上級のざるで越してもって
アパート裏のどぶ川から砂金を集めるように
丹念に
睡魔に襲われても
右の頬や左の頬をビンタし
金玉を蹴り上げ
いま私がしている仕事は一銭にならなくてもとても重要なことなのだと
こころ折れそな自分にいい聴かせ
我が心臓に子守唄を歌う
やたらに舌が回転する善や正義や光を寝かしつけ
くちびるのすき間からあぶくを出し
あぶくは天井を目指し
わたしは深海へいく
悪の棲み処へ
このわたしたちのニュースや集団ヒステリーの正体、
或いはその悪のもつ繊細さについて
ハリソン自身がもつ細胞の隅々へと、冒険に出かけるのだー