「馬野ミキに詩のワークショップを受けるボク」2 けんご
たしかに。そう思った。
息子は字で書くって要望以外には答えてくれた。
詩は書かなくてはいけないものではないなと思った。
子供に言った手前書かなくてはいけないとも思った
がしかし、今まで詩は書けないと思ってきたし、
書くつもりも無かった
ただ、昔からひと言ふたこと、思いついた事をメモしたものはあって
そのメモはずっととってあった
たとえば
一日一度は空を見上げる
キューピットはきっと矢に毒を塗っている
君が1つプラスで僕が1つマイナス、世界の幸せは増えてない
書いた時の気持ち、住んでた部屋、着てた服まで思い出せる、
そういうメモだ
そういうメモはあるけど、コレは詩では無いし、人に見せてもその時の気持ちは伝わると思えない
なんでかって言うと
僕は最近になって、ADHDって診断を受けたんだけど、
僕が子供の時は発達障害って言葉も無い頃で、
ADHDの子はだらしのない、嘘つきの変人だった
毎日毎日物を無くしては、
なぜ無くすのか、
いつ無くしたのか
最後に使ったときはどこだったか
としつこく詰め寄る母に、
短期記憶ってものがない僕は、今さっきの事が全く思い出せず
思い出そうとすればするほどポロポロこぼれていく記憶の破片をなんとか掴んで
あのね、朝家を出るときには持ってたんだよ、と答えた。
そんな事は聞いて無い、
どこで無くしたかを聞いてるのよ
と言う母の言葉にはかなり絶望した
自分の中では思い出せる精一杯の事を喋ったのに。
僕の言葉は伝わらない。
そう思った、だから僕は詩をかけないと思ってきたし書いても伝わらないと思ってきた。
書いてきたメモは人に見せる物では無く自分がホントに感じていたり、
思っていたりしたことを、
自分のために書いたものだから
だから僕の書いた言葉は詩では無い。
ココまで書いたところでミキに読んでもらったら
けんごは詩ってどういうモノだと思ってる?
詩がかけないと思うってことはそこになんか、
詩とは、こういうモノだと言う、けんごの
なんかしらの気持ちがあるのではと、言われて
たしかに。ふに落ちたので次はそのことを書いてみる