「4月29日」ヒラノ

2025年07月13日

「まったく!金ねーし!」
休みだ、というかどこにも所属していない透明な無職だ

まぁ、一悶着あったわけだが
それはいい
一つ言っておくよ橘くん?俺が辞めた後、君はクビになったよね?ウケるよw
令和6年4月29日、俺は悩んでいた

遊び行きたいな!タジマ君のパーティーがある
ゴウちゃんも来るだろうし久々に会いたい

「えっ?」
布団の上で金勘定をしてたあぐらをかいていた俺が天井を見上げた瞬間、木目のその天井に稲光が走った、本当に稲光
1秒も無いよ?ビリビリビリ!と左から青い光が走った、走り抜けて行った
「なにこれ?」「わ、怖っ!」
何だよこれ?今までに無い経験で身震いした
その稲光はそれ以来、現れていない、今の今も

何かの厄払いでは無いが、ハっ!とした
「今日は行こう!」
夕暮れ、地下鉄日比谷線に乗り入谷から中目黒まで向かう40分

駅から歩くこと歩いて10分、SOLFAに着いた
階段を下りエントランスで金を払い店内に入る

いる、いた!知った顔の面々、どいつもこいつもハンサムなイケメン、しょっぱいのは俺ぐらいだろう

ゴウちゃんと遭遇、「イエーイ!」そう言って彼は立ち去った

結局、俺は数字の力、年齢が上だから、そういう理由で彼らは俺にヨシヨシ!としてくれる、きっとそうだよ、そうなんだよ!彼らのその作品は世界中で鳴っている

言ったろ、連中はハンサムなイケメンだって
心から尊敬の念を払う、でもそこに彼らはいない
俺の当時の仲間はいない

だが、俺の前にいる彼らは明らかに武器庫であって良質な音源を世界相手にぶち撒け続けている

「ヒラノ君、ゴウちゃん知らない?」
「え?さっき会ったけど…」
「いないんだよね?」
「いや、なんか付き合いじゃない?わかんねーけど…」

やろう、マジでどこ行った?

時間は僕らを無視してガンガン進む

「次、ゴウちゃんの出番なんですけど…」

ごめん、悪ぃ、俺と言うか私?本当に何も知らないの…

ってエアジョーダンを履いた奴がやって来た

「いやさ、小宮の一周忌が今日で、それで着替えて…」どうたらこうたらうんたらかんたら

小宮の?

小宮守と名乗るデリカシーが一切無いミスターボンクラこと(一部ではリリシストとモテはやらせていた様ですが)日本語でラップをする友人がいた
ゴウと小宮と他ナイスな連中で『COCKROACHEEE'z』と名乗り素敵なイカレぶりを録音を繰り返していた

ちなみにこのゴキブリ団、「EEE」を着け足したのは俺である、僕のささやかなプライドだ

俺には兄弟がいない、だから年下のCOCKROACHEEE'zとそれにまつわる連中が愛おしくてたまらなかった
なんか、勝手にお兄さんごっこをして、そしてそれが嬉しかったし楽しかったし、多くの心の栄養を与えてくれた
産まれが早かろうが後だろうが才能だのセンスだの、そういった物は金や年月で手に入れれるものではいない
それを如実に思い知らせてくれたのもCOCKROACHEEE'zである

「ゴウちゃん、遅い!」
「いや、今日、小宮の一周忌で」
「一旦、帰らなきゃいけなかったんですよね!」

え?

小宮の?
俺って、今日って、どうして家の扉を開けたんだっけ?

天井を走る青い稲妻
バァっ!て、それも1秒もねぇ

そんで俺は今、石井さんという紳士にしこたまテキーラをご馳走されていた

1413、あざっす!

その後、ゴウちゃんのプレイを見てとにかく家に戻った

ざまみろ警視庁笑

とにかくな

そんでさ、着いたらマッハで寝るわけ、目覚ましもかけれず

それから起きて、起きた瞬間に気づいた

「え?」

例の青い雷、違うあれカミナリじゃ無く脳の動脈の線で、そこにコブがあった
脳動脈瘤のまさにそれだった

まいったな、朝イチだぞ?あのな?俺はおばあちゃん子だけどおばあちゃんより先にてめぇが来るのか?なんでチヤばあちゃんじゃねーのよ!ふざけんな!

うわっ!思い出したわ…
小宮てめぇ、俺とカレー食べてた時、置いていったろ?

朝3時ぐらいだったかね?
「小宮、腹減ってね?」
「そうだね!」
汗っかきな俺は分厚いジャケットに下はTシャツだった
2月の渋谷早朝3時、上着を脱ぎ、「オラ!行くぞ!」と威勢良くオルガンバーを出て行ったわけだがやっていたのはCoCo壱番だった
小宮が何を頼んだかは俺は憶えない
俺はほうれん草カレーに半熟玉子だった

ふと、目が覚めた…
「なに?ここどこ?」
なに?俺寝てた?
目の前には乾いてカピカピになったカレー皿、ちょとのほうれん草

小宮? いねーし…
「なんだこりゃ?」

え?本当にここどこ?
CoCo壱番、渋谷店

俺はクソ寒い2月の渋谷をTシャツ一丁で腕をさすりながら走り家に帰った

後日、小宮に会った際、聞いた
「あの日、なんで起こしてくれなかったの?」

今まで過去一番下品な笑い声が飛び出した
「ウワハハハ!」
「ブヒャヒャヒャ!」

「え?」

「なんか、面白かったから!」

「え?そんな理由?」
元気良く「うん!」

「うん?」
「う~ん???」

こいつマジか?シラフか?
しどい!ひどい!ひどい!

俺さ、9時間CoCo壱番にいたのよ?おめぇよ?てめぇよ…

カピカピになったほうれん草カレー

おめぇよ、死んで当然だろ

あの日の稲光、脳動脈瘤、それと俺のばあちゃんと、

お前、

小宮君とその御家族とパートナー

今回のお話を冗談と受け取って頂ければ幸いです

俺が愛そうが、押し倒そうが、小宮は帰って来ない

小宮の事は愛してる、俺の兄弟だから

小宮、あと100年待っててな?
そこ、行くから



小宮守、STARSHIP
https://youtu.be/YRCqEABI2tk?si=CTqxK_lqlL6ry-CL





ヒラノ