「1月29日」へちまひょうたん

2022年02月09日

 お昼過ぎ、山間部の集落で畑を借りて耕作している10人ほどが集まり、荒れ地の開墾作業が始まった。地元からは2名、あとは奈良県内や大阪から畑に通う人たち。親子連れもいる。荒れ地の広さは100平米ほどだろうか。かつては耕作地だったらしいが、今は背丈よりも高い草や竹藪で覆われ、ほぼジャングルである。
 リーダーのOさんの主導のもと、草刈り機のエンジンを唸らせて藪を薙ぎ倒してゆく。荒れ地の隅には巨大なビニールハウスが一棟、破れた天井から植物が突き出し、ハウスの中も密林と化している。荒れ地の周囲には倒れてぼろぼろになったトタン板や鉄柵が埋もれ、植物の蔓や根でがんじがらめになっている。10mほどに成長した2本の杉の木を、地元の人がチェーンソーで手際よく伐り倒す。刈られた膨大な草木は焼却すべく中央に集められ、大量の金属ごみやプラスチックごみは道路沿いまで運び出される。子供たちも刈り草やごみをせっせと運ぶ。
 日暮れまでに作業は終わらず、つづきは次週へ持ち越しとなった。しかし視界が拓け、見違えるようにすっきりしてきた。この場所を耕して、共同で何を栽培しようか。ビニールハウスを直すにはどれくらいお金と手間がかかるのか。そんな話をしながら今日は解散となった。
 そのあと残った数人で、地元のMさんの畑にキャベツをもらいに行った。各々が育ちの良さそうなキャベツを選んで鎌で刈り採り、剥ぎ取った外葉は集落のアイドル「山羊のココアちゃん」の餌にするためバケツに集められた。Mさんの畑の周囲には鹿よけの網が張ってある。沢沿いの崖のところで、昨年の夏ごろに角が網に絡まって身動きがとれなくなった鹿が1頭、白骨化していた。
 鹿の頭骨を拾って、持って帰った。角が立派でかっこいい。





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