みきくんこんばなんは 九 すなけちゃん(snake)

2022年01月15日

みきくんこんばんは 九

大連で大学生のお友達ができました。
女の子です。
ある日大学の構内で私が他の留学生とおしゃべりをして別れたあと後ろから話しかけてきました。
彼女は英語の勉強をしているらしくて、英語を上達させたいから仲良くなろうという提案でした。
私は中国語を上達させたいので仲良くなりました。
といっても私の中国語は上達させたいどころのレベルにすらないのですが。

というわけで大連にいた四カ月ほどは彼女とよく遊びました。
今二〇二二年は中国の収入や物価も高くなりましたが、二〇一〇年前は違いました。
路線バスは一元でした。
一元は今は一七円ですが当時のレートでは一二円でした。
よく食べたお昼の鍋焼きうどんは八元でした。
そのお友達とご飯を食べたりするのは私の奢りですがたくさん遊んでもらいました。
ある日、列車に乗ってみたいと思い、休日に長春へ行きました。
間違えて長春の手前の駅までの列車の切符を買ってしまいました。
長春駅に着く少し前に気が付いたのですが、乗り越し精算しようかと思ったら彼女は無くしたと言えばいいと言いました。
そういうものか、と改札で無くしたと言ってそのまま出ようとしたら捕まってしまいました。
駅舎に連れて行かれたのですが、すると彼女は前の駅までしか買ってなかったので嘘ついたと普通に言いました。
すると駅員さんたちは嘘をついたことに対しては全く無関心で、じゃあいくら乗り越し精算だよ、と言い、お茶を出してくれて長春へようこそと喜んでおり楽しくおしゃべりしました。
その時、日本では嘘自体は非常に良くないことだけどここでは少し風習が違うのだなと思いました。

しばらくして別の日に彼女と動物園に行きました。
入園料が一二〇元くらいだったと思います。
広島の動物園の入園料の何倍もしたので、動物園は誰でも行ける学習の場所ではなく余裕のある世帯が行く行楽であると思いました。
肉食動物のところには常に餌やりメニューの看板があり、金額によっていくつか種類があるのですが、一番高い金額のところに生餌がありました。
恐ろしいところでした。
猿の檻の中はお菓子のゴミがたくさんあり、来園者が皆いろんなお菓子をあげていました。
親と子供が一緒になって飴やチョコレートを檻の中に投げて遊んでいてとんでもない環境がありました。
さて、象のショーがあるというので半円形の屋外劇場へ行きました。
わくわく象のショーを見ていると私の目の前の大きな網目金網のゴミ箱のところにおじいさんと小さな子供が来ました。
おじいさんが小さな子を抱き上げてゴミ箱の縁に立たせたので高いところでよく見えるようにしてあげたいのだと思っていました。
縁に立っているのですが大きなゴミ箱なのでしっかり足を広げて立たないといけません。
一分くらいしたらどでかいうんこがニューーーとその子供のお尻から出てきたので象が何かしているのが全然目に入らずずっとうんこを見てしまいました。
小さな子供なのに本当にどでかいうんこで、しかも長くてずっと出ていました。
そのあと象の鼻に乗って持ち上げてもらうオプションをやりました。
とても楽しい遠足になりました。

大連は中国でも北部に位置していて綺麗な女性がとても多いです。
男性はメガネで色白でヒョロヒョロしている人が多いのですが、女性はとにかく背が高く顔立ちも美しいです。
しかも足がめちゃくちゃ綺麗です。
正座文化が無いからだと思いますが膝小僧がなく人形のようでした。
美しい女性ですが感情が強い人が多いです。
そのあと長く過ごした広東省では一度も見ることがなかった女性同士の大ゲンカを数回見ました。
一回は二人の女性が路上にひっくり返りお互いの髪の毛をがっちり掴んで泣きながらもみあう凄まじい状況でした。
通行人は足を止めることなくちらりと見るくらいでした。

悪いことばかり書いてしまいましたが、良いことももちろん同じだけたくさんあります。
大連は本当に皆親切です。
道を聞いたりすると数人集まってきて三組くらいがみんなで面倒を見てくれたりします。
時間の流れがゆっくりで文化的な穏やかな暮らしが浸透しています。
お金より文化や趣味を優先するような雰囲気でした。
そんな甘っちょろいのを中国だと信じた私ですが数か月後に広東省を見て同じ国と思えない大きな文化の違いに触れます。
次回からは私が一〇年お世話になった第三の故郷広東省をしっかり紹介しますね。





すなけちゃん(snake)