テレビなし/全体性 新納新之助
「テレビなし」
テレビのなかにほんとはないし、
テレビのなかにはテレビなかのほんとがあって、
俺にとってのテレビのなかのほんとはコード、配線でありネジでありホコリでありその先は電気であり、原発であり、自転であり、重力であって、
そういやいまふりかえって僕はテレビを所有したことがないんだいままで。いまのいままで。
僕は家も所有したことはないし食べ物も所有したことはない。この呼吸も、ひとつの歌も、所有したことがない。僕はみんなと分け合って。
話をしよう。さらけだすだけ。そのときそこにテレビがいようといまいとかまいやしない。それはテレビの勝手。
次回お題は最終回。「全体性」です。
「全体性」
ここでひと区切りです。最初のやりとりでだされたお題の最後です。
全体性、を包み込む全体性、を包み込む全体性、をも包み込む全体性........................
そうです。
自分 を見ている自分、を見ている自分、を見ている自分........................
のあれといっしょです。
ただの言葉なんです。全体性。
ひとかけらの石から、出会ったかぎり、思いつくかぎり、すべてのものを、何をもとりこぼさずに、輪をえがけるか。
その向き。心意気。
さあ力を抜いて。ありのままで。そのまんま、あなたのまんまでいて。
愛でも人を殺せますから。
人に死んでほしくないのは俺の想いで。同時に人が死んでも生きたがっている俺がいます。腹はへるし。メキシコ行くし。全体性。とらわれずに。どれだけ手放せるか、その、方向へと行っています。ひるがえって俺の執着をみろ、それが愛だいまのところ。
一人一生じゃ足りない、そんな根っ子があるんだ、誰にでも。私って誰?
私も、宇宙のカケラ。
わをむすぶよ。
ルールじゃない。国じゃない。人でもない。俺。宇宙のカケラ。
「ごあいさつ」
え~、無事、筒が貫通いたしました。
ね。次、次、とどまるものはなし。とどまるものはなし。
あいさつで始まりあいさつで結ぶ。
頼むことばっかりで、よろしくよろしくよろしく、ありがとうを忘れて。
気づけば、ありがとうを言いたかった人はもういない。
歌うよ。祈るよ。
呼吸を聴く。鼓動を聴く。
もしも音楽があるのなら............僕も音楽の一部だ。
もしも歴史、というものがあるのなら............僕も歴史、の一部。
もしも、
もしも。
言葉なんだよ。言葉、ただ、そこに、言葉が、言葉で、そこに。
ありがとうございました。また歩きだします。
さあミキくん!次は何をしようか?
テロリストになって、テロリストと歌おうか!
おまえだけじゃない。ここに俺がいると。
蜘蛛になって、蜘蛛と重なろうか!
祈りになって、祈りとともに生きようか!
踊ろうか!僕も惑星だから、銀河とともに踊ろうか!