「有名な空」の感想 三浦果実

2025年11月02日

H子はメンヘラだけれども、とてもピュアなやつで、つまり私もピュアだから気が合うわけで、ピュア過ぎてしまうからだいたいいつもぶわあっと喋ってしまう。

お互い馬野ミキ「有名な空」を読んだその初読の感想を、生々しい会話を、LINEチャットで展開してしまったので以下、発表したいとおもう。



三浦果実:
ちらっと下書き程度に述べるけども、ミキさんって器用な人だとおもうの。とても器用にいろんなものを作ることが出来る。けれども資本主義の世にあってはとても不器用になる。自分にただ正直なだけなのに。でもさ詩人はそうでなければならないと思うの。詩が上手く書ける器用な人間が詩人ではなくて不器用に生きざるえない人の言葉にこそ言葉にならぬ言葉があって。「詩人はこうあるべき論」をスマートに否定するインテリアには一生発見出来ない詩人。言葉でなくて詩でではなくて詩人を表してる。言葉で詩を表せる人は大量にいる。しかも大手を振りながらイベントで賑やかに詩を声にしてる。けれども不器用で頑固なために舞台から降ろされてしまう人間が握り拳に秘める言葉をそんなやつらが分かるわけがないんだ。

H子:
熱い論だな。
そもそも抵抗無く社会に順応出来てしまう人なら、言葉にする必要が無いもんなぁ。。。

三浦果実:
そうなんだよ(笑)きみわかってんなw

その通り。

H子:
詩人の社不率が上がるのは必然www

三浦果実:
だから、みうらは詩人じゃないし、詩人なんかになれるわけがないと心底思っている。

おれは資本主義に魂を売ったふりをしているんだ。

H子:
朔太郎?中也さん?に始まり、もはや伝統芸ではあるw

三浦果実:
だいたいエセ詩人どもが中原中也に憧れ、中原中也をようわからん神様にしてしまったんだ。

H子:
仕事真面目に頑張って、人に優しく出来る良いやつ。詩人には成れなくても良いお父さんには成れるのではと思うし、それは幸せなことだと私は思うんだよな。

三浦果実:
その通り。だから詩人は不幸なんだよ笑。なぜにだから、みんな詩人によくなりたがるよなwわたしは不幸ですって宣言してるのと同じか、ファッション不幸かのどちらかだろ。

H子:
ふぁっしょん不幸、良い言葉だなwwwwww
詩人になりたい、か。
良い詩が書きたいとは思うけどなー。

三浦果実:
詩を文学の1カテゴリーにするからだめなんだよ。詩人は神と同一で聖域なんだよ。宗教だよ。だから詩人は不幸でいいわけ。資本主義において当たり前に不幸なんだよ。なぜなら神様だから。資本主義的幸せに満ちた神様なんて怪しいだろw

H子:
ふむ。。。私、ミキさんの詩で泣け無い、と書いたけど、そもそも詩で泣いたこと無い。根が薄情だから、というのもあるかもだけど。でも、魂の癒しや教えになる詩は、人生で何篇か、少ないけどあった。それらはたぶん、資本主義に負ける自分の劣等感を紛らわすために書かれたもの、とは違ったように思う(全くの無関係とも思わんけど)私はそういう詩のけつをずっと追いかけてるし、ミキさんの詩にも、その片鱗を感じてる。

三浦果実:
いや、じつは一年ぐらい読み込んで感想書きしようと思ってたんだけど、特集の事情知ったんで、この会話を投稿するかな。

H子:
一通り目は通したということで、どの詩が1番印象に残ったとかあった?

三浦果実:
有名な空という語句が出てくる、大洗の海でのやつと、練馬インターの。あれがいまのところ好き。ただ、そんなどれが好きとかいうレベルではこの詩集本をとらえてないよ笑

たださ、みえるんだよね。みえるの。おれにもみえた。有名な空。







三浦果実