「sprite」/「ロワイヤル」9オビ・イルテッシュ
「わたし、ダイエットやめたの。豆の。」
「あ、そう。」
「頭の中、ガルバンゾって言われた。」
「へえ、違う豆も食べてたじゃん。」
「豆はミネラルが豊富でいいんだよ。健康的。」
「なんか、飯食い行くか。」
「うん。ダイエットやめたら、ファストフードって決めてたの。」
「バーガーか。」
「うん。そう。やっぱり、背徳大事。」
「鍵とってよ。」
「ドライブ・インって、夜が、呼んでる。だから、あんたも禁煙したら。」
「なんで、嫌だよ。」
「ああそうですか。ねえ、なんで赤にしたのかな。テールランプ。」
「え、止まれって、ことじやね。赤信号とか。赤いし。」
「もっと、いろんな色があればキレイなのにね。夜のイルミネーションになるじゃない。」
「え、めんどくせえよ。わけわかんないじゃん。」
「ファンシーの新曲、かっこいいよね。」
「うん、シティ感あって90'sみたい。」
「あ、ハンバーガー、単品。そうです。とバニラシェイク。あなたは。」
「クォーターパウンド、チーズ。セットのドリンクはスプライトで。」
「チーズバーガー好きだよね。チーズ、チーズcheese burger。あんたの頭の中がチーズでとろけてる。うける。」
「ウザいけど、cheeseの口がかわいいから許す。」
「ありがとう。uhh、うまシェーク。」
右にウインカーを出して、ドライブ・インから出る
ハンバーガーとシェイクを頼むところが
彼女、センスがいいですね
彼は禁煙しない強い意志がありました
スプライトを頼むところは映画を意識しているのですね
あの映画の「チーズ・ロワイヤル」について会話するシーン真似してみたくなります
かのファンシーを思い浮かべ、あのファンシー文具の話を聞いた夜
わたしはライブハウスでビールを飲んでいました
ピンク色のジャージが欲しくなる
白いTシャツは淡いデニムと良く合うな
淡いあわい思い出の夜のアスファルトと、蛍光灯
「では、後ほど」
ロワイヤル・cheese