過去の記事

言葉は武器に
知識は盾となる
そんな時代だから
口を噤んで
鼻歌を唄った
瞳の中に広がる羊雲の群れ

あの空を泳ぐためには
心を空っぽしなくてはいけません
あの空で泳ぎ続けたいのであれば
魂を掴んでおかなくてはいけません
冬空を泳ぐ凧のように

風のない世界ならば
寝転がっていましょう
アスファルトの上
優しさを継ぎ接ぎ
目には見えない幸福を
布団代わりにして

意識は螺旋階段を降りていく
足音と心音の区別がつかなくなる
眠りの扉の前に立ち
漸く気が付くのだ
魂を掴んだままでは
扉の向こうへ行けないことに

見えないものばかりを探していたら
何も見えなくなったみたいに
今では目も鼻も口もない
瞼の中に吊り下げたままの
星のビーズは


よぉ、お兄さん。見ない顔だね。最近この街に越してきたのか。
良かったら一緒に呑まないかい?
さっきまで酒盛りしてたんだが皆帰っちゃってさ。
寂しかったところなんだ。

へぇ、お兄さん有名な新人賞を取ったんだ。
マスター、この子に一杯出しておくれ。
そいつは前途有望だね。将来が楽しみだ。
あっ、そうだ、おいらも仲間に入れておくれよ。
おいら、これでも昔は巷で有名だったんだ。
悪い思いはさせないからさ、一緒に楽しいことをやろうじゃないか。
えっ?過去にすがる者とは仕事ができないって?
なんだ、そうかい、そいつは残念だなぁ。

その夜はそんな感じで別れたんだ。

一杯のバーボン、一杯のスコッチ、一杯のビール。
相も変わらず飲んでたんだ、マスターが怪訝な顔をしていたっけ。
そんな夜のことだった。

あれ?また会ったね、お兄さん。
...

4 日本のロックに関して誤って語られていること

(1) そもそもロックって何だろう

この連載の初期に、ボリス・ヴィアンというフランスの作家のことを書いた。その多才さに関しては、既に紹介している。音楽評論家として、ジャズが全盛の時代からロックンロールがその位置を奪っていく時代を経験している。
そうした時代を、僕は自分自身の実体験としては知らない。
なので、見当違いのことを記述してしまうかもしれない。しかし、何度か述べたように、僕は音楽に関する「専門家」ではない。だから、誤謬に関しての訂正が行われることに抵抗はない。そうした気持ちで、この連載を続けている。

ジャズの生演奏に耳を傾けることが出来る店が、1960年代(あるいはそれ以前)には東京のあちこちにあったらしい。(今でも健在な場所はある。)...

表現者として、僕にはまだまだやりたいことが沢山ある。そうした「次の目的」の一つが、「叙事詩を描くこと」である。というか、叙事詩を、何度も書こうと試みてきた。

2020年のコロナ禍以前に遡るのであるが、僕は「海の時代へ」という叙事詩を書いてみた。SNSでの分載という形であった。執筆直前に読んだ、鈴木大介氏の書作には大きな影響を受けた。
本来、救済のための制度によって、かえって生活の場を失い、追い込まれていく子らの存在は、僕にとっては衝撃的なものであった。僕自身が「きれいごと」によって傷つけられた、そんな子どものであったことも思い出した。
...

ついに、もうすぐ、あれが始まってしまう。わたしの住む大阪で、13日から。毎日の通勤電車やバスが混むだろうか。街も道も店もますますごった返しそうである。そもそもわたしはあれの開催を迷惑だとしか思っていない。だから街中でポスターを目にしたときやテレビで紹介されているときぐらいしか情報を仕入れていない。入場券を買うのにかなり踏み込んだ個人情報を開け渡さないといけないと聞くし、具体的にどこ駅が最寄りなのかも知らないし、調べる気もない。わざわざ検索すること自体に歪な敗北感がある。この国では近年、地震や山林火災など災害がたくさんあったのだし、いっそ中止にして費用はその復興に充ててくれと思ったけれど結局そうはならなかったので、今はただ、なるべく事故やトラブルなく、さっさと終わってほしい。


自宅へ歩いて帰る
1人暮らしの2DK

見える物と言えばスカスカの車道、青いゴミ収集車、黒いタクシー、現場に向かう白いハイエース
それとコンテナを引っ張るどでかいトラック

乱暴なスピード
通ると、ちょっとアスファルが揺れる

神のスタイルは
バスト7000ウエスト6000ヒップ7000でちんこも5万で目が三つあり
貴方は最高のジェンダーフリーで多様性の象徴ですと協会の人が勲章を揃えて授与しようとしたら足の裏で踏み潰してしまった
確かに、勲章とか協会とかジェンダーとか最高とかどうだっていい筈だ
神にとって。
神は創造し破壊した
一切の人間の都合や勘定を無視して、
関係なかった。
無視とか勘定とか都合とか何も関係なく
ただ圧倒的なスケールの訳の分からなさで存在するものだー

僕の心は二者択一で揺れている。
先日御年齢の方に、僕の専属カメラマンになって下さい、と頼んでみたら、困らせてしまったようだ。
僕のヌードを見せたり、しつこくお願いしても、答えはNOだった。
そういえば身体的には、違う人の方を、ヌードモデルにした方が、例えば向こう隣のマンションの人を生体模写した方が、勿論良い。道端ですれ違った事があるけど、肉体美だ。
絵画を描いているかたなら、そういう事にも耽溺するべきだと思う。
ちょっと脱ぐ度に少しお金。
どうせなら良いモデルにマネキン芸をしてもらった方が良いよね。
糞もエロスも芸術だと思うから、絵を志す人には耳がぴくんと動くのでしょうかね。
ま、芸術が分からない僕には関係の無い事ですが。

今日もスト6をやりました。
おもしろかったです。

みんなで遊んでいたら、ポゲちゃんというお友達が、一緒に遊びたいというので、仲間に入れてあげました。
いつもポゲちゃんは、ゲームがヘタなので、ポゲちゃんは弱いだろう、と、遊ぶ前はみんな思っていました。

そうしたら、何という事でしょう。
1番うまいのです。
わたしが寝ている間に、他のお友達と戦って10連勝したとききました。
他のお友達が、ポゲちゃんのことを怖がりました。
具合が悪くなり、泣いてしまいました。
ポゲちゃんを倒してほしいと言われたから、かわりに倒してあげました。

急に上がり込むじゃないか、
何の連絡もなしに。
随分ずぶぬれじゃないか、
外は今も雨なのか。
急に泣き出すじゃないか、
好きで始めた人生なのに。

十二小節しかないお前の人生。
下書きでしかないお前の人生。
だのに今お前は雨に打たれて、
迷い犬みたいに所在なさげだ。

何処も彼処も雨なのか。
天下一面の雨なのか。
こんな悪い天候の中、
お前は自分に賭けたのか。
人生を賭けたのか。

お前も本当は野心なんて持っていなかったんだな。
あいつも本当は成り上がりたいなんて思っていなかったんだな。
お前とあいつ本当は怖かっただけだったんだな。

お前はしょうもない負け方をして、
あいつはつまらない勝ち方をして、
観客はみんな白けきって、
そして傘をさして帰っていった。

何処も彼処も雨なのか。
天下一面の雨なのか。
こんな悪い天候の中、
負けた者は奪われる。
...

少なくとも音楽家にとって。
自分の中に見るべきものがない人の暇つぶしにはなると思うけど。
自分の中の「?」に向き合っているとニュースを見る暇が無い。
あとオナニーする時間もとらなきゃいけないからマジでニュース見てる暇がない。

あと戦争と同じくらい反戦の意味がわからない。
音楽作ってるのになんでそんなに暇があるんだ。
その時間はどこから来るんだ。
その暇をできれば分けてほしい。
その時間で僕は音楽を作る。





なんでハッピーな曲調でハッピーな事を歌うのだ。
お前は全然ハッピーじゃないじゃないか。
ハッピーじゃない現状のカウンターとして歌うのか。
病気、貧困、それらを抱えながらせめてハッピーにと思うのか。
「せめて」は要らない。
嘘をつかないでほしい。
お前の本当の内蔵の中に溜まってるものをぶちまけてほしい。
それを。
それをくれ。

嘘をつくな。
本当は怒りと不満ではらわた煮えくり返りそうなんだろう。
それを想いや考えで優しさや勇気にすり替えていないか。
刷り込まれた倫理に従うな。
胃が空っぽになるまで吐け。
吐瀉物の美しさは他人が決める。
自分を音にしろ。
それは綺麗じゃないはずだ。

反戦を謳うな。
未来、希望、世界平和、そんなものが本当のお前か。
お前を謳え。
他人の不幸にかまける暇があるなら全力のお前で俺を殺しに来い。
...

カハラさん?ヤマダさん?
可愛い子が居るんでしょう。
女?男?のっぱい?いろっぱい?
別にあなたの正体1回も知らないのよ。
相当すんごい物体を想像してしまいますけど...
あなたは相性さえ合えば、10分おきに体を求める良いんじゃない?
血塗られた鉄漿も同じなんだから。
プラプラ歩いていろいろ見て、きちんと大切な子が問題にならないように、まぎれている。
お腹痛くない?
頭痛くない?
足腰は仕方無いにしても。
人がみんな同じことをしているマーブル模様に見える、まだら痴呆にはなっていないよね次から次へと獲物を喰らう獣役をしているぞ。
てね〜。
もうこれ以上は血が流れるぞこの人は遊んでいるだけだ。
若しくは只意味の無い事を言っているだけだ大丈夫大丈夫。
僕の心はまだ喪失していない。

僕の、「抒情詩の惑星」での別連載である「フォークやロックについて僕が知っているいくつかのこと」の第12回の中で、坂口尚氏という漫画家について少し触れた。これまでも僕は、このエッセイの中でレコード・ジャケットの装丁に関わった方々について触れたことがある。そうした際、なるべく同じ原稿の中で、そうした作家についての補足説明は済ませるように心がけていた。
しかし、坂口尚氏に関しては、それが出来なかった。残し、そして忘れ去られた業績が余りにも大きすぎるのである。日本のロックやフォークについての、僕なりの小史をまとめておきたいという本来の趣旨から、大幅に逸脱してしまうためである。
そこで、稿を改めて坂口尚氏の仕事について触れていくこととする。

もえこは私の睫に触れて
王蟲の触手みたい
と云う
はいってきそう

もえこの話し方は
甘い

あまったれではなく
あまやかで
いいの?

云うときの、の? が
とても甘くたゆむことに
久々に逢って言葉を交わして
気付く

いいの?
いいよお


もえこは私の睫が長く多いことを
ゲジゲジって知ってます?
と云う
きみの比喩なんで辛辣なの
あとゲジゲジって普通眉毛のはなしだよね



萌子が泊まりにきてくれて
早朝また旅立っていった
帰ってきてね、と
実家の人間の如き考え方で駅まで見送った


白い息を吐きながら
もう言葉も会話も人もいなくなった世界で意味は緩み
目を瞑り眠る
なにも見えなくなる


はいってきそう
なにが
何処に

あたしはほっとして
なんだか涙が出そうになった

あたしが殺した人のことを思い出した

最近は
鼠は死骸でしかあたしの前に現れないから

その子はとても可愛く見えた
はつらつとして
よく太って
お腹をたぷたぷさせて
目の前を横切った
希望に満ちた目をしてた
東京の鼠なのに

あたしもあんなふうにまたなれるだろうか

何があっても
瞳が爛々としてたんだ
冗談が好きで
よくコロコロと笑ったんだ

怖いくらいに怒ったり
人に優しかったり
花に笑いかけたり
乱視の目で東京の夜景を見て
世界の始まりを感じたんだ

ゼロの鼠のことを考えたとき
わたしの好きな男の子が
鼠を踏み殺していたのを思い出した
嫌々そうしていたのに
わたしは笑ってしまった...