「禁治産者の余滴」村山トカレフ
新宿でM嬢の口中にいばりを注ぐ深更 イースター島のモアイはランチどきに降り注ぐ太陽におもてをさらしている
型抜きの合否判定が店主の気まぐれなのはおおいに結構だが 人の生き死にを気まぐれで決められてはどうでも業腹だ
コミュニケーション能力が高い奴輩こそが極めて鈍感であり 人を平然と傷つけるものだ
ロクデナシの魂百までも ロクデナシは生まれつきのものだからロクデナシのまま死ぬのが道理
ナミダがこぼれる正確な理由なんぞは 他人はおろか本人にだってわからない
ウスターソースなんて嫌いだと 泣きながらコロッケに醤油を垂らしていたアイツはもういない
イルカの無垢な気持ちを裏切らねばならないクジラの潮吹きには涙が混じっているだろう
ル...