過去の記事

宿でM嬢の口中にいばりを注ぐ深更 イースター島のモアイはランチどきに降り注ぐ太陽におもてをさらしている
抜きの合否判定が店主の気まぐれなのはおおいに結構だが 人の生き死にを気まぐれで決められてはどうでも業腹だ
ミュニケーション能力が高い奴輩こそが極めて鈍感であり 人を平然と傷つけるものだ
クデナシの魂百までも ロクデナシは生まれつきのものだからロクデナシのまま死ぬのが道理
ミダがこぼれる正確な理由なんぞは 他人はおろか本人にだってわからない
スターソースなんて嫌いだと 泣きながらコロッケに醤油を垂らしていたアイツはもういない
ルカの無垢な気持ちを裏切らねばならないクジラの潮吹きには涙が混じっているだろう
...

「今日の日替わりランチは、もこもこです」
「もこもこ?」
「いえ、ロコモコ丼です」
「そぼろ丼?」
「いえ、ロコモコ」
「ポモドーロ?」
「......お客様、よくオ段の食べ物だけでそんなに踏めますね」
「腕に覚えがあるのでね」
男は腕をまくりあげ「覚」の入れ墨を見せた。
「『貢』......? ああ、『覚』」
「だいぶ見間違えるな。腕に貢のあるラッパー嫌だろ」
「ラップ業界に貢献したいのかなと。でも、まあ、いいんじゃないですか腕の一本や二本」
「おい」
「マイク一本で勝負できるんでしょう」
「確かに障害者ラッパーというジャンルはおいしいかも」
「おっとそれはコンプラ」
「おっとこれは天ぷら」
「あちらのお客様からです」
「普通それ液体でやるやつじゃない?」
「期待してました?」
「答えになってなくない?」
「固体にはなってますよ」...

9月14日
誰もがいつか朽ち果てるということは自明であり、明瞭であり、軽くもあり、重くもある。
生を一回分生きるということはこの年まで来ると難儀であり、有り難くもある。
ああ、生きてしまった、という感慨が寝覚めると残り、まだ生きたいとかバッドな気分のときは、ああ、まだ、生きてるのかよ。もういいよとか、あらかたこの
コロナ禍になってからは、いつまで生きられるのか、という怯えが心を走り、困ったものですね。

鮮やかな手捌きで 軽やかな足取りで
するりとすり抜けて 逃走を続けた
在りし日には スキゾキッズ
そんな風に呼ばれたりもした彼の
逃げて 逃げて 逃げた先は
レオパレス21 ウィークリーマンション
派遣会社に登録した

詩の定義とは何だろうか?
それは様々で一括りに出来ないだろうけど、その中にジャーナリズムという要素もあると思います。
書いた時の世相、作者を取り巻く生活環境、訴え、願望、作者のドキュメントともとれる作品は多数あるでしょう。

京都の着だおれ、大阪の食いだおれは、有名ですけど、奈良の寝だおれって知ってます?奈良って鹿でしょ。昔、鹿が自分の敷地内で死んだら、処理するのにすごいお金かかったらしいんですよ。だから、早起きして、まず、自分の敷地内に鹿が死んでないかチェックして、もし、死んでたら敷地の外に出すと。一番寝てたやつがたおれってことらしいんですよ。
ちなみに関東でも、こういう「だおれ」ってあるんですか?
と、いつも行ってるカウンセリングの先生に聞くと、先生はしばらく考えてこういった。「NIK口の暗殺。」やて。だおれちゃいますやん。てゆうか、マルコムXレベルの人以外はどこで撃たれてもただの射殺ですやん?
とか考えながら俺は、NIK口駅で降りた。
...

18才の時、僕は風俗街で
バイトの説明を受けた。
社長は色白のインテリでT大卒と聞いた。
「中川君、この世界の一番の病は何ですか?」
僕は緊張して答えた。
「ガンですか?」
「違います。この世界の一番の病は孤独です。
私たちの仕事は、孤独という病から
世界を救うお手伝いです。」
社長は続けた。
「この仕事をしていると、まれに警察が
君たちの業務を妨害することが
あるかもしれません。その時は大きな声で
言って下さい。僕らは世界を救う
お仕事をしているんです、とね。」
社長は話しながら目尻の涙を拭った。

僕を好きにならないとしたら君は病気だ
君のことを考えなかった今日は奇跡だ
今日、僕は生まれて初めて今死にたくないと真剣に思ってどきどきした
映画の脚本が完成したんだ
今日

初めてきみを見た時に
この人だって思った
服の下から
瞳の奥から
隠しきれない
匂いでわかった
まっすぐに近づくと
きみは頷いた
地下室のようなラブホテルの一室
白いシーツの上で
きみを裸にした
思ったとおりだった
きみが自分でめちゃくちゃに張り付けた
いくつもの絆創膏を
私はやさしく剥いだ
きみはうろたえた
全身で甘えることを怖がる子ども
傷をひとつひとつ
舐めた
きみは身体から色々な体液を流しながら
よろこんだ
ずっとそうして欲しかったとでも
いうように
何時間も経過していた
離れられないのだとわかった
二度目に会った時も同じようにした
きみは待ちわびていた
私が貼った絆創膏を
剥いで
舐めた

どんな格好でも
ビルの屋上から
飛び降りて
地面に激突するまで
最低 二百年はかかるから
自殺とかできないんだ だれも

警察署と区役所に出向いたが個人情報がどうとかで一切何も教えてはくれず

手書きのメッセージで溢れた
あのスクラップの
置き場を抜けたら
MDの音量をあげて
生きている人はもういないというような
街は
バックミラーの彼方