あいくるしい 恭仁涼子

2022年03月23日

可愛いは正義なんて
よく言うけれど、
実のところ
可愛いは正義だと思う。

だって好きなものというものは
無条件に可愛らしい。
ハルキストにとっては村上春樹だって
可愛らしいのだろう。
とりわけ好きな人というのは別格で
男らしい振る舞いを心がけていたとしても
もうその心意気がすでに可愛らしい。
秋田犬の子犬みたい!

いや、ちっちゃい男の子みたい。
好きな人というものは
みんなその中にちっちゃい男の子を育てている。
いや、そういう人だからこそ
好きな人になりうるのか。 

ちっちゃい男の子は
不思議と全く大人にならない。
だからその永遠のうちに
私は年老いていくのである。
それはたまにくるしいが
あいくるしいのだから、仕方がない!

好きな人をある程度好きになると
好きな人から自分への関心に
関心がなくなる。
ただあたたかいどんぶり飯を
ガツガツと食べていてほしい。

私より一秒でも長く生きてね
求めることは、それだけです!








恭仁涼子