「次は松戸です」蛇口
次は松戸です
知らない電車は乗るのが楽しい
日本一暑い街、熊谷から新宿経由ではるばるやってきた
隣の席のカップルの女の会話が退屈すぎて
カップルの男はあとでセックスできるから忍耐強く聞く
その女とセックスできない俺はその女を殴ってもいい
病室は一緒で寝顔がかわいい
新宿で朝まで浴びるように飲んでいたから小便が我慢できない
飲みすぎないでじゃなくて
飲みすぎてと言ってくれる女が好き
そんなん新宿ゴールデン街近くの
ガールズバーのガールくらいしか浮かばない
そんなことを思いながら
松戸駅のトイレを探して
こんなガールズバーはいやだ
ガールにこのお題をLINEしたら俺のいないところで
別の男の客が答えを考えてそれがガールにえらいウケる
そんなガールズバーはいや
駅のトイレ
俺の小便の弾ける音はどこよりも本格的なのだった
プロだよ、プロ
改札で俺にどこか似た男が行き交う女性を舐め回すように見ている
壁ドンにいさんがかよわそうな女性に勢いよく体当たりする
ぶつかりおじさんの誕生だ
そんな記念日に松戸で遭遇してしまった
何に苛立っているんだよ、なあおっさん
口パクならぬ股パクな早朝風俗とかか
あれは実にあじけないな
女はクソとソクだけだなと思ってしまう
無視する女、クソと
買われる女、ソク
恋愛を創作はみんな持ち上げすぎなんだよ
たまに始まって盛り上がって幻滅して終わるだけなのに
風船ガムパチンだ
ぶつかりおじさんガツンはいかん
俺もムカついたりするが殴るのは想像の中でだけ
なぜぶつかりはみなおじさんと決めつける
にいさんは酔わない恋愛で酔うことができる
酔わないアルコールよりも効果てきめん
俺も絶対に酔わない恋愛でこんなにも酔ってしまっている
疑似恋愛の漢字に恋愛があるだけで満足している
夏は街がガールズバーみたい
今日のイベント会場に向かう途中で見かけた
笑顔がめちゃくちゃまぶしいのは危険信号
奇跡のキャミワンピに奪われたかった
俺は
このマイクの前に立つのではなく