「COCOA」丘野こ鳩

2022年08月02日

喉が乾いている
水筒は鞄に入っている

ここにいると
ずっといると
きもちがわるい
わらえるのだが
たべられるのだが
つかれていれば つかれきってしまえば
ねむれるのだが
きもちがわるくて

気がつくと
あまり息を深くしなくなっている
水を飲むのをわすれていて
それなのに スーパーのレジで
お会計をしながら
涙が止まらないことがある

降りる駅までどれほどかを確認しながら
変わらずにある場所を行ったり来たりしていると
駅の名前がゆがんで、めちゃめちゃになる

みんな燃えてしまえばいい
つまりはわたしが
わたしの受け入れがたい部分が
めらめらとしずまって
みんなだけで
運ばれる電車が
わたしの目のゆがんだ景色が
どうか ととのえば

ほんらい そうあるように
水筒のふたを開けて 傾けると
水の音は、するのだが
うまく飲み込めない








丘野こ鳩