「スワンキヰ諸事情」三明十種
2026年04月16日
手足口病の語り口
巻き舌のテロンテロンで
枯葉剤つてこんなんだらふか
跡ごと引き摺るやうな滑り
後潟の終いの始めから
啞を並べて喋り出すまで
鶏卵を産み出す盛り上がる喉元で
聴こうとしたか
ぐえつぐえつぐえつ……
吁、遠くで牛蛙が鳴いてゐる
民族新聞の中程観音見開き
白人女の赤い口唇のパラマウントに
ヘツドフオンにヘツドギヤアに
逆光に逆立つ金の産毛そよぐ
本家から分家へ白餅が下げられて
分家から本家へ赤餅が上げられて
倫敦風邪の流行りだしの梅雨頃
啞ののどちんこに御加護が
びちやりびちやりびちやり……
吁、雌兜虫の殻ごと潰されてゐる
素通りしてゆくあからさまな悪意を
椀に注ぎいれやうとするジヱスチヤア
生娘でも童貞でも老害でも即神仏でも
田舎のおきてやぶれば消されゆく
取ツ替えひツ替え花札切るかのやうに
啞順の入れ替わり基準の擦り代わり
虚構の梁の崩れ落ちる音々を
正しく聴いた
はうえつはうえつはうえつ……
吁、犬と犬が肛門を舐め合つてゐる
