「声を上げよ」POGE
生活保護以下の金で生きている
それでも特に困らない
月賦で買った6万のPCがあれば詩は書ける
腰が痛くなるのはしかたない
食べ物は偏っているが
とりあえずカロリーはとっている
（とりすぎで太っている）
ネットでロシアのウクライナ侵攻が話題になっている
クラスター爆弾が使われたという
ロシアとウクライナの歴史のことはよくわからない
兵器や軍事のことはよくわからない
そういうのは詳しい人に考えてもらおう
寒さに震えている
でも死にはしない
ウクライナでは
たくさんの人が死んでいる
反戦の機運が高まっている
誰もが厭戦の憂鬱にうなだれている
誰も人が死ぬことも
殺すことも
望んでいない
テレビは持っていない
細いネット回線で世界を覗いている
何語かわからない言葉で叫んでいる人がいる
子供が担架で運ばれる動画が流れている
「我が国の若者は犬死ではなかった」
そんな妄想を抱いている人もいるのだろうか
爆撃を受ける建物の残骸
ブロックノイズの向こうに見える
そこにあるのは無意味な破壊だ
そこにあるのは無意味な死だ
鬱がひどくなり昨日は食事がとれなかった
トイレで吐いたりもした
バカげている
頭のおかしくなった独裁者が独りいるだけで
こんなことになるのか
世界各国で反戦デモが起きている
ロシア国内でもそうらしい
誰もが戦争を嫌がっている
世界各国がロシアに制裁を課すという
口座を凍結したりいろいろとやるらしい
だがわかっているのだろうか
亡くなった人は帰ってこない
破壊されたものは戻らない
独裁者は独りで独裁者になったのだろうか
独裁者を生み出したのはなんだろう
人は人を殺すことを望まない
人は殺されることを望まない
なのになぜ
老いも若きも戦争などしたくない
戦争を望むのは壊れたシステムだ
今まで無関心すぎた
世界の歴史も遺恨も
虐げられた人々のことも
狂気の独裁者のことも
誰が悪いのか
考えてもよくわからない
ムソルグスキーの展覧会の絵を聴く
最終章は「キーウの大きな門」だ
歴史と伝統の花咲く都
今胸が苦しいのは
キーを打つ手が震えるのは
涙と鼻水が止まらないのは
単なる生理現象だろうか
人は生きて死ぬが
殺されて死ぬのは
間違っている
間違っている
間違いは止めなければいけない
偽善でも独りよがりでもいい
今声を上げなければいけない
たった独りでも声を上げなければいけない
声を張り上げなければいけないのだ