「シルビア」馬野ミキ
2026年07月07日
午前二時、
産業道路からバイパスへ抜け
九号線の仏具屋を右折し
海に抜ける林道の第一コーナーで
朽ちかけの道祖神にぶつける感じで
アクセルを踏んで
生きている感じがすると
サイドブレーキを引く
まだ生きたいと思っている細胞の
そのケツを振って
逆ハンに切り
二速で加速し
大地と摩擦しているタイヤが悲鳴をあげ
身体は一瞬、万有引力から逃れる
月が雲に隠れた次のコーナーで
対向車線から
梨を積んだ軽トラが飛んできて
全身の毛穴から汗が出た
軽トラの運転席は無人であった
悪魔のシルビアと俺は
防風林に突っ込んだー
