「我是書店店員」尾内甲太郎
2026年09月09日
ネオンのねじれる陋巷で
あなたは書店店員です
後ろ手にしばられても
赤い花の綻ぶ瞬間を売りさばく
ことばがことばでありうる国で
あなたはことばを
ことばのまま売りさばく
私も まぁ書店店員です
この国では
誰もことばを買いません
口から昆布が垂れます
目から飛び出すひまわり
郵便バイクにまたがって
私も書店店員です
ことばがことばでない国で
白地に赤丸の旗で
ことばの束をくるめば
売れる日もあります
書棚には声の抜け殻
海風がさらっていく
たったひとつの接続詞を
ががんぼの影が
最後のことばを持ち去ってから
私は地平線を売って食べています
あなたの国で
赤い花は何円ですか
