「脇腹」湯原昌泰

2026年09月30日

最近、猛烈に脇腹が痛く、
また肋骨にヒビが入ったかと病院に行き、
レントゲンを撮るも異常なし、
「神経痛ですかね」と言われ、
これは何だ、何のための痛みだ、と腹をおさえる。
たとえば、
結石が詰まって便所でのたうち、
救けてくださいと涎を垂らせば、
異物、濾過不全、霞ヶ浦と巡って結石の花が咲く。そこに観音も立つ。
1センチ未満、1グラム以下の石でこれだ。
お願い先っぽだけじゃねぇよ、胎児は一体何キロだよ、と見ることもできる。
あるいは左膝が割れれば、
祖父も生まれつき左足が動かなかった、
父も生まれつき左肺が小さいと、
そこに俺の血も見える。
まぶたの上を切った。
小指の骨を折った。
全部左側だった。
で、今回の脇腹も左ではある。
しかし、
何これ?
なんで俺がこんな思いすんの?
いつまで親の脛かじんだよ。

川を渡って、マンションを見る。
エントランスで15回刺された女の住んでいたマンションだ、
と見ることもできるが、
でかくてしろいマンションだ。
薄桃の芙蓉が咲いている。
足もとで青い朝顔が濡れる。
雨上がり。
鉛いろ。
夜はさんまでも食うか。





湯原昌泰

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