「影のない世界」かわいあやの
2026年10月28日
春のような日差し
風を受ける花
雲ひとつない青空は
薄ら笑いを浮かべながら
自由を掲げている
蝶を虫網で追い払う少女
少女の周りを執拗に飛び回る蝶
繰り返し舞い戻ってくる蝶に
虫網を何度も何度も振りかざして
痛い あなたの真実が痛いから
手を止めることが出来ないでいる
滅びながら向かってくる蝶
飛び散る鱗粉は
声のない悲鳴のような
冷たい破片となり
光を浴びては
キラキラと輝いて
ああ、空が今にも痛い痛いと
泣き出しそうだ
