「ヱレクチオン」三明十種

2026年05月19日

液体となりつつある気圧帯や
蓮華に廻り続けるモワレや
口移しされるサラダ油や
近場の穴場の盛り場の
音叉に触れてお別れを知る
笑みを残してお別れを謀る
檸檬を浮かべた冷水の底らに
悔いはjellyになつて緩く
痴人とうわさの県住の後家の
女となりし顔を見にいつてみる
悦に入りこみ過ぎてゐる
煉瓦を擦り合わせて出る粉は
下らない萬とはくだらない
直腸と直結した直情型の
温度差がこうも開くとは

海老の揚がる音。
醴泉の溢れる音。
組合の壊れる音。
注意の逸れる音。
怨念の燃える音。

豌豆豆大の核芯をこすれば
恋愛感情とは別方向に蠢き始め
悔い生き永らえよわたしよわたし
千代に八千代にそそりたたせよ
恩を仇で返してゆくスタンス
演劇部の淫らさのセンテンス
冷凍人間と成りクリアランス
窪地で己れを己れで拝みます
縮こまればよりかたく奮起す
御礼申し上げることにします
嚥下に忍ばせた印度産の
檸檬味の似せた錠剤の
砕く契機を逃しけり
乳首を只只見たかつた
御礼我が血文を以てしてでも





三明十種

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