「泥仕合い」三明十種

2026年05月28日

定時制高校の方角から
空の焦がれゆくのをいつものことと
見逃しているうちに卑暴になる現れ場で
錆鉄骨と処女宮が互い嫌い合うまで
キヤツキヤツ叩きつけ合ふノダ
夕闇に火花ひんばな散るるを視るに
胃に落ちゆく、おびただしい白煙、
鯨トンネルの入口、売人の柄シヤツ、
アクセル捻挫する程ひねりあげて
林立する特殊警棒の上手く避けながら
キヤツキヤツ蛇行して征くノダ
オキアミのやうに拡がりゆくて
最終地は、お決まりの夜の向こふの朝
路面でオジヤになつた人のかたちが
いたるところにぶちまけられて
乾ききらぬ間に拭い取られてゐる

泥仕合いダ!
泥仕合いダ!
泥仕合いダ!

ラリる、そして自惚れる
複雑な壊れ方をした単車の山
漏れたオイルを雑種が舐めてゐる
定時制の始業時間までは何時間もあり
キヤツキヤツ幼くふざけ合うノダ
救えない笑顔同士が小人ぐらひの歩き方で
陸上競技のピストル合図が パ   ン
倒れるふりをする今日二度目の夕焼ケ
此れから三度目四度目五度目は当たり前
YAMAHAエンブレム、旭日旗、髑髏、
愛羅武勇、わかばの時代、非構成員、
自惚れはひどくなつて嗤われてゐる

泥仕合いダ!
泥仕合いダ!
泥仕合いダ!

今日最後の夕焼ケを視た時に
遊星が墜ちてく、ガソリンタンクに映る、
キヤツキヤツとギアを高速にはめ直して
馬鹿面のだれもかれもが最高!





三明十種

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