「カブトムシ事件」馬野ミキ

2026年05月31日

ハセと近所の裏山にカブト虫をとりに行っていた
この山でカブトムシを見たことは無かったので、いないのだろうと思っていた
自分は昆虫全体に興味があったのでカナブンなども捕まえて虫かごに入れていた
ハセが「ミッキーそれとったからカブト出たら俺ね」と言った
ハセはカナブンやコガネムシに興味がないのに卑怯だ
麓にある精神病院にはキチガイを連れて行くと五千円がもらえるという噂があった
確かに山間の隔離施設で一度、扉を叩いていたお婆ちゃんを見たことがある
パワーショベルが置いてあり
病院から出た生ごみを捨てる大きな穴が開いていて
病院の人たちが食べた後の西瓜にカブトムシがひっついていた
ハセは真っ先にゴミ捨て場の穴に降りて行き

俺はそばに落ちていた15cmくらいの竹をハセに向かって思いっきり投げた
ハセは血だらけになった
耳の上あたりがぱっくりと割れて血が止まらなかった
泣きながらカブト虫を持って血を流しているハセの血を、
俺は自分にもつけながら二人で家に帰った。




馬野ミキ

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