「メンヘラマッチング」POGE
VRchatに
メンヘラマッチング
というワールドがあった
私はうつ病なので
メンヘラなのだと
思い
入ってみた
ワールドの入り口には
四択のクイズがあって
メンヘラが欲しいのは
なにか
とか
メンヘラが飲むエナドリの色は
なにか
とか
よくわからない質問があった
私はメンヘラだが
全く答えがわからなくて
正解するまで
4回ぐらい
ワールドに入り直した
中に入ると
やたらポップで
ピンク色のスペースで
頭の上につけられる
タグがたくさんあって
性別や
かまってほしい
とか
依存したい
とか
メンヘラ製造機
とか
ほとんど
病気とは
関係のないもの
ばかりだった
私は
うつ病
とか
統合失調症
とか
病気の悩みを
話したり
仲間を探すところだと
思ったので
面食らった
君は何しに来たの
イケメンアバターに聞かれたので
私はうつ病で
同じ病気の友だちを
探しに来ました
と答えた
うわぁ……
それはガチで重いじゃん
そう言って
離れていった
どういうことだろう
メンヘラとは
病気や
よくない環境や
それぞれの理由で
メンタルヘルスに
問題を抱えた
人々のことではないのか
中をウロウロしてみる
長ネギだったり
リアルな赤ちゃんだったり
形の崩れたピカチュウだったり
なんだか
気持ち悪いアバターで
ぐるぐる走りながら
騒いでいる
一群がいて
眉をしかめてしまった
何度も
キック投票がくる
荒らしばかりだ
男女が固まって
話している
グループが
いくつかあり
耳に入ってくるのは
病気や
障害の
話ではなく
恋人はいるのかとか
どこに住んでいるのかとか
何かおかしい
何のために
ここに来ているのだろう
どうも私は
何か勘違いしていたようだ
ここは
ちょっと毛色の変わった
出会いの場でしか
なかったのかもしれない
ここで
友だちは
できそうにない
私は
ホームに戻った
なんだか疲れたので
桜の花びらの舞う
広い温泉ワールドに
移動して
ひとり露天に
浸かった
メンヘラマッチングは
いくつもある
マッチングワールドの
バリエーションであって
私の想像した
悩みを語り合う
場所ではなかった
桜を眺めながら
メンヘラマッチングワールドの
目がチカチカする
ピンクとは違い
桜の桃色はきれいだな
そう思った
友だちは
別のところで探そう
